夏から晩秋にかけての義母のことは書いたが、実母のことはそれほど書いていなかったと思うので、いちおう書いておく。
10月中旬だったが、それまで体調がいまひとつな時期が長引いていたのが急速に悪化し、電話の声の具合から「これもう、だめなんじゃね〜」というくらいの悲惨な状態を連想したので(口調も内容も)、日帰りで出かけてきた。昼に出かけて夕方に現地滞在1時間半という強行突破だったが、いちおう話をして帰ってきた。
その後も連日、話の内容も体調もひどいとのことだったが、いろいろな状況が味方して、11月中旬にはわたしに対してあれが食べたいこれが食べたいと言うようになったので、現在までに2回ほど荷物を送った。
その同じ親である。このあいだまで死にそうなことを言っていた親。
最近こちらが送った食べ物や必需品へのお礼として、最近になって何度も「食べ物を作って送りたい」と言う。冗談ではない。10月下旬にもうだめかと思った体調がやっと回復した、そんな親が台所に立ってわたしたちのために何かを作るなど、とんでもない。それで悪化したら現地の同居家族に恨まれるのはわたしだ。だから「送らなくていい」と何度も断ったのだが——ついにその荷物が、今日やってきた。
椅子に座ったままできるだけ立たずに作れるものを、送ってよこしたのだ。
ほんとうに驚いた。そしてその執念に、やや鬼気迫るものを感じた。到着のお礼で電話をすると、案の定「今後はもうこんなことをしてやれないと思うから、思うようにならないことが増えてくるから(だからがんばった)」と。恐れいった。