平均すると1年に1回もない、おそらく数年に1回と思われることだが、店で買った商品が不良品で、連絡したほうがよいレベルだと感じた。持ち帰ってきてすぐまじまじとそれを見たが、わたしたちが購入後に潰したとかそういう話とはとても思えず、事前に気づいておくべきだったものだ。帰宅するまで気づけなかったのは残念だが、外がすでに暗くて店にふたたび行くのも、かといって翌日まで放置してから持っていくのも気が重く、ひとまず電話をしてみた。
まず、袋にたくさんはいっている商品のうち、外から見ただけで破損が確認できるものがあったが、これはのちほど交換してもらえるのかどうかということ。さらにもう一点は、無人レジでスマホ決済なので紙のレシートがないが(スマホ画面にだいたいどの商品を買ったかくらいの簡略な記録は残る)、いきなりその状態で店に出かけて、話が通じるかどうか……
上記の二点を聞こうと、話をはじめたばかりというのに「交換品を持って、いまから伺います」と。え、いや、安いものだし、暗くなってきた時間帯だし、それに来てもらってからこちらの話す内容が軽微とわかったら、それはそれで申し訳ないしと、断ろうとしたのだが、テキパキと住所や建物の特徴を聞かれた。そして、ほどなく持ってきてもらえた。
おそらく、客によっては強く出る人がいて、万が一わたしがそういうタイプだった場合にそなえて、来てくれたのだろうと思う。丁寧な応対だった。さっそく商品を見ていただくと、なんと、その交換品のほか「一部、不良品だけ抜かせていただきますので、残りをもし召し上がっていただけるならどうぞ」と、先に買った商品の残りを置いていった。さらには、これはほんとうに何度も断ったが(けっきょく受領)、電話代として小銭を…。うぁぁ、わたしはスマホが定額通話だから関係ないというのに。
最初にできるだけ明るい声で電話をしたし、来てもらったお礼も何度も言ったのだが、店としてはそれでもどきどきしていたかもしれない。