昨日、北関東の方言「がしょうき」はどんな字を書くのだろうと検索をしたが、どなたもご存知ないようで、「がしょうき」の事例ばかりがたくさん目にはいり、たいへんおもしろかった。どこかの辞書で「がしょうぎ」ならあったが、濁るのは聞いたことがないので、あくまでわたしが探しているのは「がしょうき」である。
たとえば「そんなガショウキなことしたら壊れるがね」などと使う。意味としては、そんなに乱暴に扱ったら壊れてしまうでしょうということなのだが、わたしの知っている事例を考えると、たとえば口が少し合わない蓋と本体があって無理にはめようとしたり、逆(きちんと外さずに無理に分離させようとする)などの「物体と物体のあいだに無理に力を入れる」ようなものが多い。きちんと落ちついて手順を踏めばなんとかなるはずのものを、検討する前に力業でなんとかしようとするのが「がしょうき」である。
がしょうきの事例を山ほど読んでいると、同じく方言で「つっと刺す」が目に飛びこんできた。懐かしい。これは1単語のように発音する。つまり「ぶっ飛ばす」、「かっ飛ばす」と同じである。細いもので串刺しにしていくような場合に使う。「つっ刺す」も言うかもしれない。
数日に一度、田舎の高齢の親に電話をかけるのだが、界隈を一度も出たことがない母は方言の宝庫で、ときおり数十年ぶりに聞くような表現が出てくる。母以外の現地の人々と付き合いがないので(田舎のほかの家族とは電話では会話しない)、標準語でどう言えばいいのか、言い換えがわからないものもたまにある。だが母とだけ話が通じればいいので、とりあえず聞き流してしまってメモも取らない。今後はメモをしてみようか。