たいへんな1日だった。夕方まで野暮用で忙しく、夕食後に家族が「あれは、今日までが期限だったんじゃ」と言ってくれたので思い出したが、3月31日までに視聴できる映画の権利があったのだ。それが「過去追う者」。
クラウドファンディングで応援し、返礼として刑務所で作られている話題の石鹸「ブルースティック」をもらったのだが、そのほかに映画を見られる権利を、今月いっぱいということで案内されていたのだった。
まさか作品に英語字幕が付いているとは思わず、もっと早く見ておけばよかったという話になった。
実は夜中に日本映画を見ると音声が上げられない(台詞がじゅうぶんに聞きとれるほどの音量にすると突然の場面変化で騒音になる)ため、昼間に見ようと思ってタイミングが合わず忘れていたのだ。ところが再生してみると英語字幕が付いている。これならもし聞きとれなくても英語を読めばいいのだと安心した。残る心配は「もし12時を過ぎてブツッと権利を切られたらどうしよう」ということだが、時計を見ながら、どきどきしながら見ていたところ、時間内に見終えた。
映画内容は、実在する会社やその活動を再構成して映画にしたもので、元犯罪者の更生とそれを受けいれられない社会について描くもの。かなり内容は暗くてつらい。だがまるで舞台を見ているかのような雰囲気と、本人たちのあがき、支援したい周囲の声、ごく一般的で無情な世間の声、被害者やそちら側に立つ人々からの強い意見が絡み合う展開が引きつける。
理想論を語る映画ではなく、どの側から見ても救いや平安がない。そして肝心なのは、これは実際に世の中で起こっていることであるという事実だ。
つらいが、どうにか見終えた。
3月31日に、間に合ってよかった。
個人的に思うことだが、わたしは性犯罪に関与(冤罪ではなく間違いなく実行または加担)した人でないならば、もしできることがあるかと尋ねられたとき、力になれるかもしれないと思う。性犯罪だけはどうにも受けいれられない。考えただけで心が乱れる。