不正確なDNA判定と警察、検察の思い込みが冤罪を生んだ足利事件が1990年。その2年後、いまだ精度の低かったDNA判定が決め手となり死刑判決が下された飯塚事件。足利事件で冤罪で受刑していた人物が釈放になったとき、それならば飯塚事件もと誰もが思っていたところに、受刑者は死刑を実行されてしまった。
本人が死刑になってからでも再審の道は開けるのか——その判断は5日に下されるのだそうだ。(飯塚事件については、2024年2月25日の東京新聞記事をリンクする → 警察官も新聞記者も「葛藤」を抱えて…死刑執行された飯塚事件 再審請求で示される「正義の行方」は
日本の検察が常軌を逸していることは、袴田事件の袴田さんに、つい先日、この期に及んで死刑を求刑したことでもあきらかである。自分や身近な人間が証拠を捏造したと言われているわけでもないのに——何十年も前の担当者が不適切な取り調べや証拠改竄をしていた可能性があるならば、それを直視し検証することがまずなすべきことであるのに、それまでの路線を継続することしか考えられないとは、情けないを通り越して、普通の社会に生きる人間として大きな恐怖と底なしの闇を感じる。