中野駅の前を歩いていたら、工事中の駅ビルに(JR東日本が運営する)「atré」の文字がはいっていた。アトレは東中野、吉祥寺などにも付けられている名前で(東中野や三鷹は厳密にはアトレヴィである)、中野もそうなるんだなと思うのと同時に「その駅ビルができるころ、向かい側のサンプラザの解体はもしや終わっていないだろうなぁ」という気がする。
西口ができるあたりの場所はもともとゆったりとしたスペースで、自転車置き場や桜の木、そして線路沿いの道は商店街のようになっていて、そのあたりの細い一帯が囲町(かこいまち)として親しまれていた。
再開発が本格化する少し前、囲町界隈で個性的なお宅が売りに出されていたのを思い出す。あのときは「こんな駅近でよさそうな場所なのにな」と思ったが、そのころすでに工事は進められつつあり、そこに毎日お住まいの方々にしてみれば、まったく違う光景になることと工事の騒音など、いろいろなお考えがあったのだろう。
サンプラザの解体と隣接していた区役所を含む周辺の整備は、そのものは前区長がやりたくてしかたなく、そのころは1万人規模のアリーナにしたいという話だった。現区長は再検討を公約にして当選したが、規模は小さくともやはりサンプラザは解体してタワマン方向に話が流れた。だが費用の高騰と計画の練り直しがうまくいかず、いまのところサンプラザは解体のめどすら立っていない。ただし、築が古いこともあり、素人でもすぐに思いつく「とりあえず壊さずに、数年だけでも何かに使っちまえ」的な話は、メンテナンス費用などの面から難しいらしい。
内部に人がおらず、解体を待つだけの大きな建物が、いまはかなりわびしさを感じさせる。
建物は立ち入り禁止にするにせよ、前にある空間を何らかの青空市のような形で活用することができたら、それくらいはやったほうがいいんだろうなと、これも素人発想だがそう願わずにいられない。