いや、正確にはどんな職業もなめてはいけない。だが今日、たまたま元芸能人(在宅起訴中でその結果がどうなるかはわかっていない)が、群馬県でバウムクーヘンを販売することにしたという話を聞いた。あくまでもバウムの「販売」である(←焼くとはどこにも書いていなかったものの、おそらく読み手のみなさんのうち何割かは、バウム職人を連想した可能性が)。
住宅街では飛びこみの「○○いかがですか」の営業がある。かつてわが家の界隈で多かったのは「八王子の八百屋です、果物いかがですか」であり、名乗る地名は微妙に違うが、路上で目が合っただけで近づいてきた自称果物屋もあった。おそらく頼まれてリヤカーもしくはライトバンで販売しているだけで、農園や八百屋の関係者ではない。
初めて観光で出かけた倉敷で、リヤカーをコロコロ引いた若い男性に「バウムクーヘンいかがですか」と言われたこともあった。そのころ人に聞いた話だと、路上やどこかの前の駐車場がある(要するに人の流れがある)場所で、片っ端から話しかける営業スタイルは定番らしかった。
おそらくのっぴきならない事情があってそういった販売やっている人が多いのかと思うし、ごくわずかな時給または出来高制で、搾取されるタイプの業務としか思えなかった。そもそも、路上で食品を知らない人から買わないという判断は一般的なものであり、それほど売り上げがあるはずもないのだ。
食品を売るだけなら誰でもできると思うのは間違っているし、ほんとうに手間暇かけて作った商品であるなら、誰かに発泡スチロールあんどの簡易容器に入れてコロコロ転がす(温度帯も定かではない)売り方をしてほしいと考える製造者もない。ようするに、商品そのものも怪しく感じられてしまうのだ。
今回のニュースで、販売場所の住所だけ書いて取材には来ないでとしていた本人の投稿と、それをご丁寧にネットに流すメディアの姿に、苛立ちを覚えた。刑事事件で起訴されているのだ。宣伝をするのは結果がわかったあとで、もう少し待ってからでもよいはずだ。