英語の solitude と lonliness は、どちらも「孤独」と訳される。だが両者には違いがある。
solitude は、ひとりの時間を大切にする、楽しむようなときに使われる「ひとりでいる状態」であり、lonliness は「自分からひとりでいたいと望んでいるわけではない(誰かと一緒にいたい)」ときの「孤独」である。
わたしは、中学から高校に進学したとき、そして高校を出て東京にでてきたころから数年間、どちらかといえば後者のlonlinessが生じてしまったらどうしようと、かなり気持ちが落ちつかなかった。実際にはひとりでいる時間は多かったし、そのことを否定していたわけでもないのだが「さみしいやつと思われていたらどうしよう」といった思いが、あったのだと思う。
その後、人が自分をどう考えようとどうでもよくなった。かなり気が楽だ。
そうなってみてあらためて、自分はけっこうひとり時間が好きでありつづけたことを再認識している。20代からパソコン通信、その後はインターネットでオンライン三昧。それらの人々とはたまに会ったりもしたが実生活の知り合いとはごく希にしか会わず、とくに同郷の人々に関しては携帯番号もSNSも教えていない。
そのうちネットをやらなくなったら、そのときはどうなるのかわからない。
現在のところ、わたしはネットで世間とつながっていることを快適に考えている。周囲がわたしだとわかるような場所のほか、誰にも教えていない落書き帳のような場所も少し持っている。炎上させて楽しむような暴力的な行為はせず、ひたすら思いを文章に綴り、適度にひとさまの文章を読む。それで終わりだ。それが気持ちよい。何か大きなものを残そうとか、誰かにどうしても自分を覚えていてほしいとか、そういうことを考えはじめたとき、気持ちが落ちつかなくなることが、あるのかもしれない。