子供のころ、家に鯉のぼりがあったことを思い出した。真鯉、緋鯉、吹き流しの三つを飾っていたと思うが、近所の家にはもっと種類が多いものもあった。専用のポールがあったのか、あるいは物干し竿のようなものを父が工夫して立てていたのかは忘れてしまったが、子供心に高さがあったように思う。
家にはおひな様セットもあったが、わが家では平屋だったものの(内裏様、お雛様、それから三人官女)、近所の家に五段か七段のものがあり、圧倒されたものだった、
ああいうものはその家の子供が幼いころに使うのみで、頻繁に買い替えるようなものでもないから、おそらくはどの家にとっても生涯で1回程度の買い物だろう。あるいは親戚宅にプレゼントとして贈ることもあったかもしれないから、多い人で数回だ。だからこそ、記念にということで高価な品が作られるのかもしれない。