ある場所だが、もしや嫌がらせされているんだろうかと、気分が暗くなった。もしその人だとすれば、以前にも気が合わないような気がしてできれば遠巻きにしていたいと思ったのだが、今回気づいた件は前回より規模が大きい。調べてしまえば誰がやっているのかがわかるのだが、知ってしまったらその後の気分の下がり具合は想像もできないほどだからと、最初のうちは調べないことにしていた。
だが前回より規模が大きく、我慢したのちに耐えられなくなってしまってやはり調べると、その人がやっていた。
もしや数日前にわたしのしたことがその人に関係があって、気に障ったのかと、あれこれ考えてみた。だがわたしがやったかもしれないことと、その人がわたしにしてきたことでは、いわばゴブリンが横断歩道で信号無視をしたレベルのことに、その道路を破壊する勢いでバハムートを出動させたようなものなのだ。もしわたしがきっかけを作ったのであったにせよ、だからといって道路を壊すのはおかしいだろう、と。
その人のことをわたしよりも知っていそうな人に、迷惑かもしれないと承知の上で、「こんなことがあった、その人には言わないでほしいが、今後わたしがその人と接点を少なくするならこういう案があるので聞いてくれ」と提案してみた。その提案を聞いてくれたほかに、数時間後、やはりその人に話をしてみたという報告があった。
今回の件は勘違いがあったためであり、バハムートが出たのは悪意ではなかったという話だそうで——まあ、わたしにその人と無理に仲良くしろというのではなく、勘違いだったことをわかってほしいという内容だったので、それで終わりにした。何歳になってもいろいろあるわなぁ、人間社会。