以前はDeepLがすごいと、とにかく何と比較してもすごいと思っていた。だが、1〜2年前からだろうか、英語の原文中にセミコロンなどの記号がはいっているだけで、(つまりここは言い換えまたは並列だろうとの判断により)セミコロンの前後どちらかをすっ飛ばして訳しそれで終了にしてしまうことが、耐えられなくなった。
実際には言い換えでも並べているわけでもなく、両方を訳さなければならない事例はたくさんある。むしろすっ飛ばす理由のほうに正当性を感じられない。…しかも、だ。自分で書いたものばかりではなく原文の英語にセミコロンがはいっていて、そのまま段落ごとツールにコピペする場合、DeepLだからとセミコロンのところで改行を入れたり文章を分けたりする手間など、利用者にとっては考えられない。
というわけで、最近はGoogle翻訳のほうを使う率が上がってきた。あちらはDeepLよりも長めの英語を貼りつけられるし、出てくる日本語訳も、わたし好みにこなれている。DeepLは無料版と有料版では翻訳内容に差があるのではなく、セキュリティ(無料版は内容をいったん内部保存されるそうだが有料版はそれがない)と、処理してくれる容量やファイルサイズが増えるということだそうで、セミコロンのことだけを考えてもDeepLで有料会員になることはできない。
わたしの使い方は——おもに自分が書いた英語をDeepLやGoogle翻訳にかけて日本語にした際のニュアンスが正しいのかをチェックして、それと同時にGrammarlyで文法のおかしいところを指摘してもらう(ブラウザの画面上でGrammarlyが反応するためそのチェックは同時にできる)。ある程度まで英語が整ったら、Grammarlyのエディタを開いて、いったんブラウザ画面でチェックした英語をまたコピペし、推敲する。その際、段落ごとやある程度の量のところで範囲指定してからGrammarlyのwriteというボタンをクリックすると、文章の意味を損なわないままでの改善案を提案してくれるほか、短くしたいとかこんな風にしたいという要望をさらに書くことで考えを深めることができる。
GrammarlyもAIだが、最初から翻訳や作成をすべて文章生成AIにまかせてしまうよりも、ひと手間ふた手間かけたこの方法が安全で、わたしには性に合っている。ここまでやってもときおりAIがわたしの意図と違う解釈で書き直してしまう例が見つかるので、さらなる用心に越したことはない。
Grammarlyは1年約140ドルで、円安だとかなり金額が増えてしまうものの、すでに7〜8年ほど使っている。いまさらやめられない。