上野に知人と会うために出かける。靴で迷う。濡れにくいスニーカーは普段履かないので歩きづらい。慣れているスニーカーは少しでも濡れたら靴の中までずぶずぶになるタイプ…だが軽いので歩きやすい。どうせ濡れるのだからと、慣れているほうで出かけた。
高円寺の駅まではどうにか普通程度の濡れ具合で到着できた。電車に乗ると、新宿駅でひと騒動。電車のドアとホームの間にゲリラ豪雨で水のカーテンができていた。普段だったらドアのすぐ近くで乗ろうとする客らが、ドアが完全に開いた瞬間になってから水のカーテンをくぐってはいってきた。ホームには駅員の「ただいまゲリラ豪雨です」というマイクの音声が響いていた。
少し遅れがあったそうで、普通よりもやや混んでいた中央線だが、雨でほとんどの人が傘を持っているため「できるだけよろけない、できるだけ近くの人と触れない、ぜったいよろけない」と脚を踏んばったせいで、かなり疲れた。四谷を過ぎて少し周囲が空いたとき、どっと疲れが。
神田で乗り換えて上野まで行くと、ここもゲリラ豪雨。少しでも雨が弱くなってから外に出ようという人たちが駅構内にたむろしていた。わたしの場合は駅のなかで知人と待ち合わせ、その後は電車で移動ということになっていたので、しばらくは濡れる予定がなくてたすかった。
知人家族に会う。1年ぶりくらいだと思う。いつものように新幹線の切符を買う手伝いをし、喫茶店で土産物を交換して、少し話す。
驚いたことに、最近のクレジットカード機器は(大手だけかもしれないが)、外国で作られたカードは自動判別して「暗証番号を入れてください」のメッセージをすっ飛ばすらしい。わたしは何度も何度も事前に「今年から日本では暗証番号が必須になったから、外国で作ったクレジットカードだとわからず、店員に暗証番号を入れてくれと言われるかもしれないから」と言っておいたので、今回はわざわざ暗証番号を設定してから日本に来たらしいのだが、新幹線チケットのように高額なものでさえも、喫茶店のように少額なものでも、知人が「暗証番号を入れろ」と言われている場面に遭遇しなかった。びっくりである。
(もっとも、カードを入れただけで外国で作ったクレジットカードとわかるような機材をすべての店が入れているとは限らないので、おそらく小規模な店では日本人と同じように「暗証番号」と言われるのではないかと思うから、自分のしたことが無駄とは思っていない)
その後、ハンズにならありそうな商品がほしいという話になり、電車で新宿へ。ハンズは東京駅の大丸か、新宿駅の高島屋(隣接の別館)にあるのだが、わたしの帰り道が新宿に近いからと思いやってもらえたのか、新宿がいいという話になり、ひさびさにハンズへ。
ハンズは、もはや東急ハンズではなくなってしまい、現在はカインズが子会社のただの「ハンズ」なのだ。東急をついつい付けたくなる。
知人らの買い物をしていたフロアで、いわゆる「カスハラ」っぽい人を見た。声がでかい。話している内容があまり商品のことと関係なく、これこれこういう感じの男の店員が失礼だったと、別の店員さんに大声で言っていた。だが店員さんのほうは、できるだけ商品の話にもどそうとしていて、しかも何かあったら怖いからとふたりがかりの対応で、ちょっと気の毒だった。すぐ近くに店員さんがいるのにその人のせいで質問ができず、わたしはレジまで行って相談しなければならなかった。
その後、高島屋の上階にある店で昼食。
すごいね、最近はスマホでQRコードを見るとメニューが出て、それで注文できるんだよ。へぇ。決済はレジだけれど、わたしは自分のスマホから日本語メニューで、知人らは自分たちのスマホから英語メニューで注文をし、伝票はそれぞれわかるようになっていて、別でも一緒でも好きな支払い方法ができるようだった。
外食はぜんぜんしないので、こういう進歩はすごいと思う。もっとも、客がスマホを持っているはずという見込みで注文を取るのは、しかも客のパケット代でメニュー印刷代を浮かせるのは、店にとっては経費節減だが、客にとってはハードルが高い場合もあるかもしれない。
その席はテラス席だったのだが、ときおり(ゲリラというほどではないが)雨が強く降りそうな気配があり、大雨が来たらどうしようかと構えた数分後に日が差す、そしてまた雨が降るという、スリリングな展開だった。
高島屋もほぼ駅直結なので、知人らと駅で別れたあとは、ほとんど濡れることなく高円寺へ帰ってきた。高円寺で少しだけ買い物をしたが、そのときもあまり降っておらず、道で滑らないようにと踏んばりながら家に帰ると、どっと疲れた。
それから2時間程度、足の裏がつりそうになり、なんどもマッサージをしてはスポーツドリンクを飲んで、湿布も貼って、ひたすらこらえた。だが楽しい1日だった。