アメリカ映画のデリリウム。事情で医療刑務所のような場所に20年はいっていた青年が帰宅する。1ヶ月を実家の大豪邸にひとり暮らしできたらぜんぶ財産を引き継がせるという父の遺言があったため。
世間的には犯罪者だが、実は13歳のとき兄に脅され重犯罪に協力させられた過去がある。その記憶のすさまじさで精神病を発症したために刑務所ではなく医療施設に20年過ごしたという経緯がある。
で、その家がまあ…。何か出るという意味での不気味さとはちょっと違い(作品意図としては見る側にそう感じてほしかったのかもしれないが)、やたらと陰鬱で病的、はっきり書くと犯罪くさいのである。「こんな家にいた人、まともじゃないっしょ」な雰囲気が。それが早いうちから前面に出るため、これはホラーではないのだなと、そう割り切ることができた。
でもまぁ、これ、もったいない。心理面で「自分は正気なのか、いつもの薬が飲めれば異常はなくなるのか」で、長めに引っぱることはできたと思う。
それから、遺言の意味がわからなかった。つまり、なぜ遺言を残した親は主人公が30日を無事に過ごせないと思ったのか。ある場所の秘密に気づいて精神的に大打撃を受けると思ったのか。まさかもうひとりの息子の話は予知できないだろうから、それは脅威のネタとして仕込んでおくことはできなかったはず。
なにやら、もやっとした映画であった。