とても流行っているらしい「ミレニアム」という三部作。スウェーデンの作家スティーグ・ラーソンの小説だが、その一作目が映画化された。
ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 価格:3,591円(税込、送料別) |
これはスウェーデン語の映画だが、来年暮れには、アメリカでリメイクする英語版がお目見えするのだとか。(…なぜアメリカでは、外国語の映画を英語にリメイクしたがるのだろう? 外国語の映画を吹き替えで見ればそれですむのに…)
主人公の男性は、ある胡散臭い大企業のスキャンダルを暴いたつもりが、根拠が捏造されたものだったことがのちに判明し、名誉毀損で訴えられて禁固と罰金の刑を宣告される。そんな彼がはめられたことを知っていたのは、彼を調べるように依頼された会社の、若く風変わりな女性調査員だった。彼女が表題のドラゴン・タトゥーの女だ。
人とのコミュニケーションはまともにとれないが、コンピュータと情報分析には脅威の力を発揮する彼女は、主人公が収監までの半年に調べることになった、約40年ほど前から謎につつまれている事件(少女の失踪)に、協力することになる。
話の骨格はいかにも「どよ〜ん」と曇ったヨーロッパの話という雰囲気で、これはたとえばイギリスの作家ミネット・ウォルターズの作品などにも通じるように思うが、特筆すべきは女性主人公リスベットの設定と描写。さんざん傷ついたであろう過去から、自力で這い上がる。妥協もあきらめもしない。しかも強くてたくましい。これは新しいタイプのヒロインだ。
次作も9月から上映予定とのことなので、数ヶ月から半年ほど待てば、レンタルDVDとして見ることができるだろう。
原作者のスティーグ・ラーソンは、残念ながら数年前に病気で他界されているそうだ。
参考リンク:
○ ミネット・ウォルターズ
○ スティーグ・ラーソン作品