ロンドンの日本大使館は、二重被爆者をトーク形式のクイズ番組で笑い混じりにとりあげたBBCと番組製作会社に抗議をし、両者から日本人の感情を害したことを理解するとのコメントを受けたそうだ。
このニュアンスは、日本で報道の見出しに使われている「謝罪コメント」というものとは異なるように思うが、わたしはこのレベルであっても、BBCの姿勢に真摯なものを感じる。放送の前にデリケートな問題であることに気づいてもらえることが、本来の理想ではあったが。
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さて、本題:
昨日ちょっとツイッターにも書いたのだが、スピルバーグの映画「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」で、水爆実験の場に遭遇した主人公が鉛の冷蔵庫にはいって被害を逃れるというシーンがあった。
(2年前の記事 → 映画:インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国)
このアホらしいシーンには、フィクションだから抗議をしなかったのか。人気のあるスピルバーグ作品だからか。上映後に数ヶ月を経てレンタルDVDになるまで、わたしはこのシーンを知らなかったのだから、ネットでの個人の感想はともかくとして、主要メディアではとりあげなかったのだろう。
007シリーズ「ダイ・アナザー・デイ」では、北朝鮮が侮辱的に描かれていることなどを主な理由として、見るのはよそうというキャンペーンが韓国において張られたと聞く。日本では、この「鉛の冷蔵庫」シーンに関して、こんな話を聞かなかった。
こういう映画のシーンに何も感じない、無関心である、あるいは故意に黙っていたのであれば、BBCにばかり抗議するのは、おかしい。
BBCは立派だと思っていたから落胆した、スピルバーグは所詮そんなものだと思っていた…と、そこまで考えての差なのか。いや、スピルバーグ作品は、カネが動くからではないだろうか。いわゆる「大人の事情」のようなことで態度に差が出たような気がしてしまう。