顔が怖くて堅物のイメージがあるクライヴ・オーウェンが、大まじめにぶっ飛んだキャラクタを演じるヒーローもの。テンポがよく、最初は何が起こっているのかわからないほどスピーディーな話の流れ…。
なにせ、悪者に襲われた妊婦が銃を持っていて、たまたま近くにいてニンジンをかじっていた男が、それを見かねて応戦。ここまででも頭の整理がつかないうちに、女の銃や倒した敵の武器を回収しながら、男はあり得ない銃撃戦とアクションをくり返す。どこもかしこも弾丸だらけ。そんな中で女は出産し、撃たれて死んでしまう。残された新生児を見捨てるわけにもいかず、男は銃弾の中を逃げて、ある女に子供を預けようとする。
子連れ狼とグロリアの要素、そして(わたしにはどの作品かわからないが、一説によれば)ジュリアーノ・ジェンマ作品へのオマージュなど、見どころがある。
かつてのスティーブン・セガール映画や、最近ではトランスポーターのシリーズのように「ぜったい無敵」の主人公はいるものだが、これもすごすぎ。ここまで豪快に「あり得ない」がならぶと、すがすがしい。
それにしても、モニカ・ベルッチの美しさは年々増しているような気がする。マトリックス・リローデッドのころは「きれいなヨーロッパのお姉さん」といった印象だったが、今回は巻きこまれながらも戦う女。個性が強くて、かっこよい役どころだった。
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