上演された舞台(映像ソフト化されていない)を映像公開する National Theatre Live というプロジェクトがあり、50周年記念の一環として、最近とみに人気のある俳優ベネディクト・カンバーバッチが主演した「フランケンシュタイン」が期日限定で東京でも上映されると聞き、家族がチケット抽選販売に応募しておいた。どうやらそれが当たったようなので、コンビニでチケットを引き替え、六本木まで出かけることに。
カンバーバッチがフランケンシュタイン博士役と、クリーチャー(怪物)役と、それぞれを演じたバージョンがあるようだが、わたしたちが今日見たのは、博士役の回。クリーチャーを生み出し、その醜さと自分の行いへの恐れから、研究を投げ出して帰郷してしまう。何が何だかわからないちに世の中に投げ出され、醜さで迫害を受けながら言葉や教養を身につけたクリーチャーは、みずからの存在について問うため、博士を訪ねる長い道のりへと、その一歩を踏み出す…。
話の展開も演技も秀逸なのだが、やはり映像美。躍動感ある舞台をさまざまな角度からカメラが追う。金額は高かったが(ひとり2700円)、舞台を実際に見たらこれくらいでは済まなかったのだから、よい経験をしたと思う。
場内は満席だった。TOHO CINEMASは最新設備だし、とても近代的で機能的な映画館だったと思う。
さて、世の中では現在、山梨ほかでたいへんな降雪被害(ほとんど「大災害」と呼べる)が広がっているが、そんなときの東京「六本木」は、のんきというのか、こんな光景だ。だいたい、クリスマスでもなんでもないんだが、これって…?
これは、周辺の道(六本木ヒルズ界隈)を、ぐるっと覆っている明かり。派手だとか、何かを言われたら「LEDだからいいでしょう?」と答える心づもりなんだろうなぁ。。。
突然これが目の前に出てきたら、たしかにきれいとも思えるし、こんな明かりでもなかったら夜のあの界隈は殺風景だろうなという気持ちもある。だがやはり「東京だけ、都心だけ、こんなのでいいんだろうか」という思いもある。
大昔には、貧富の差や立場の強弱というのは「先進国とそれ以外の国」という、大きな問題として存在すると思っていた。だが同じ国の中で、しかも東京から半径100キロ以内くらいで、大雪により車の中で身動きができないたちが命の危険にさらされかねない深刻な事態になっていても、六本木はこの状態。
だが、いちおう書いておこう。
自分も含め、今日あの時間に六本木を歩いていた人たちの全員が、毎日そこにどっぷり浸かっているわけではない。それらの人たちにしてみれば「普段からこんな贅沢してるわけじゃない、たまに遊びにくる場所だ。六本木くらいは派手であってほしい、きれいであってほしい」という思いもある。
両方のことを考えると、なんだかとても、複雑な気分だ。