先日からHuluでアメリカのドラマを見ていて、ようやく見終えた。だいたい50話くらいあっただろうか。週に5話程度は見ていたので、2ヶ月で4シーズン分を見てしまった。なんと贅沢な。
舞台は2004年のシアトル。1948年ころから60年近くにわたり、世界中の人々が少しずつさらわれていて、2004年に全員まとめて帰された。その数4400が、物語のタイトルになっている。
彼らはさらわれた時代のまま、年もとらず、ただし何も覚えておらず、不思議な力を持って帰された。謎は深まるが、最初こそ隔離されていた彼らも人権の問題から世論が高まり自由の身となって、それぞれの土地にもどることになる。だが大多数が生活の基盤をうしない、仲間の多いシアトルに残った。
見はじめて数話で明らかになってくるので重大なネタバレではないが、話の本筋に映画やテレビでおなじみのターミネーターのシリーズのような世界観がある。
未来の人々によってさらわれ、能力を植えつけられ、未来からもどされた彼らは、未来人の思い描くシナリオ通りに進めば、地球を救えるはずだった。だが問題なのは、未来人にもさまざまな思惑を持つ組織があり、帰ってきた者たちの中には違う使命を担わされた者もいたこと。つまり計画は未来人の総意ではなかったのだ。4400をそっくり抹殺したい側と、能力者をむしろ増やしたい側。そして4400と同じ能力を身につけられる成分が発見される。人々はそれに飛びつく。大きなリスクがあるとわかったころには、誰もあともどりできなくなっていた。
よくできた話だと思う。テンポもいいし、状況が変われば立場も変わって、昨日の敵が今日の友になることもある。とくに序盤で4400のまとめ役として登場したコリアーという男は、まったくもって俗物のような存在であったところ、いったん中盤で退場して後半で舞台にもどるころには、役割がまったく変わっていた。その勢いは増していく。
この話は打ち切りになったと聞いていたので、とんでもない終わり方をするのだろうと勝手に想像していたが、よくまとまっていた。ここで終わりになっても、問題はなかったと思う。kindleやペーパーバックで(いずれも英語)、結末が描かれている話が読めるようだが…
(画像はAmazonから)
…別に、読まなくてもいいかな、という気がした。
ま、最後のシーズンは、ちょっとご都合主義が目立ったところもあるけれど、わたしはじゅうぶんに楽しめたし、主演のジョエル・グレッチはよくがんばったと、拍手を送りたい。