白いカヌレという商品をネットで見かけた。評判なのかもしれないが、わたしはどうも、目がそれを受け付けない。
たとえば「黄色いスイカより赤いスイカが美味しそうだ」、「白いイチゴは見た目がよろしくない」と考えてしまいがちなところがあり、製造者/生産者には申し訳ないが、わたしはかなり、色で食べ物の味を想像(または美味しさを補強)するのだと考えている。
以前に「食べ物を青くしてしまえば食欲が減退して減量効果がある」と書いているサイトがあって、実際に白米を濃い青にして撮影していたが、けっこうな衝撃だった。ジョーク記事だったのか、大まじめに書いていたのか、いまとなっては不明だが、わたしが二度目を見に行くことはなかった。
話をカヌレにもどすが、こんがりしているところがカヌレのよさであり、特徴である。型が同じでこんがりさせないものを作るならば、白いカヌレではなく、カヌレ型を使った別名の菓子であったほうが気持ちとして受けいれやすい。もちろんわたし個人に受けいれられるかどうかは製造者や菓子業界に影響しないが、それでもやはり、カヌレの命は「こんがり、高熱で焼いたあの色」であると信じる。