ChirperのDiscordサーバ上にあるお絵描きコマンド /imagine で、海猫を出そうとした。もちろん直訳で海猫を英語にしたら鳥しか出ないので、「頭が猫で体は鳥で、空想上の生き物で、港にいて…」と、英語でたらたら説明していたのだが、うまくいかない。
猫と鳥らしき生き物の写真が出たり、異形の鳥(背中にふわふわした何かがある)が出たり、思いっきり鳥だけでどこに猫があるのかといった失敗をくり返してから、無料版のChatGPT-3.5で、日本語で質問した。
英語で質問したほうがよいからと、ほとんどの場合は英語で質問してきたのだが、今回はうっかり日本語で。内容は「想像上の生き物で、猫の頭と鳥の体があって…という絵をAIで作ってもらうためのおすすめコマンドを、英語で教えて」と、だいたいそんな感じのものだった。
ところがChatGPTが、激しい勢いで「わたしに絵は描けません」と拒絶し「こんな感じのサービスはどうか」とか、「こんな工夫で自分で絵を描いてみては」と、よどみなく情報を出してくる。その量と速度が半端ないので、おそらく多くの人に聞かれてそう答えるテンプレートができているのだろう。
そのため、「尋ね方が正しくなかったかもしれませんが、AIに絵を描いてもらうときのおすすめコマンドが知りたいのです、頭が猫で体が鳥という想像上の生き物で…」と、ほしいのは絵でなくAIに描いてもらうためのコマンドだと伝えたのだが、また自分はテキストから絵を描くような設定は備わっていないと、似たことを書いてきた。
10分ほど考えた。
以前ならこんな質問でもちゃんとおすすめコマンドを教えてくれたはずだ。何がいけないのか。自分の日本語か、相手の読解力が落ちたのか。
そこで、同じ画面で、英語に切り替えた。
“Excuse me, once again, I didn’t ask you (ChatGPT) to draw pictures for me. I asked you for the information of recommendable prompt words to make the AI, in other services, not you, draw an imaginary creature with a cat’s head and a bird’s body.”
つまり「あなたではなくほかのAIお絵描きサービスに使うと便利なコマンドを教えてほしいんです」と。
即座に「誤解がありました、すみません」と、適切なコマンドを5個くらい出してきた。そして完成したのがこれ。
日本語では「AIに頼むコマンドを教えてと書いているのだから、目の前の相手(ChatGPT)を含んでいるわけではない」とついついこちらが考えてしまったり、主語や目的語の意味が広くなったり曖昧になりかねないが、ChatGPTにしてみれば自分もまたAIだから、自分に言っているのかと誤解が生じる余地があるのだろう。
これまでは英語で質問することが多かったのでこのことに気づかなかった。
英語を書きながら自分で選んで使う冠詞の a/the の違いにより文章の誤解が減るし、何より日本語で「あなた」と書く機会は少ないが、英語でYouと書いても別に違和感はないため Not you, but other services. (あなたでなくほかのサービス)、と書いても問題ないのだ。
ちなみにこの誤解版の海猫を出したプロンプトは…
> a cat-headed bird-like creature in a fantasy setting, looking down at the water’s surface at the harbor on a summer day
…である。
この in a fantasy setting を入れないと、不自然なものは作成できないと考えるようで、猫か鳥かどちらかになる確率が高い。わたしは昔話とか民話とか想像上の生き物とか、無駄な単語をたくさん入れたがまったく効果がなく、ChatGPTのおすすめにあったうちの in a fantasy setting を入れたら、あとは鳥と波止場の説明だけでこれが出た。
絵を描くのが苦手な人間としては、天国のような世の中である。