自分は絵心がなく、どれほどよいソフトを使おうと絵がまったく描けないので、これまで写真や絵を無料でダウンロードできるサイトには頻繁にお世話になっていた。精密さや芸術性を求めるのではなく、なんとなくアクセントになるような画像を入れるため、絵そのものにメインとなるクオリティを求めるのではなく、ある程度の個性的な飾りが必要だったのだ。
だがこの半年ほど、AIに無料で作ってもらうことが増えた。AIに対しては、ダウンロードしたものをどの程度まで加工するか(レタッチなど画風変更も含め)、本来の撮影者に対して失礼かどうかの気を使わなくていいし、加工の手間も軽減される。気が楽だ。文章のイメージが伝わらずに妙なものが出力されたら、クスッと笑って終わりである。しかも複数のチャットAIで試すことができるようになったので、同じ文章を複数で比較できる。
自分はほんとうに絵心がないため、助けてもらいたい一心でこうしてきたが、立場を変えてみると——自分の身近な分野(たとえば文章関連の資料や文学作品、個性的なレシピなど)が、同じように誰かに「雰囲気だけ」持って行かれているであろうことを思うと、利便性だけの問題で済まされるものではない。場合によっては限りなく不快な、当事者によっては蹂躙されるほどのつらい現象かもしれない。それがもてはやされ、まかり通っているということになりかねない。
人の手により撮影(または描画)された作品は素晴らしい。現在のわたしが多用している「ウェブのアクセントとしての画像取得」でない場合は、やはりこれまでのように画像投稿サイトを利用させていただきたいと、使い分けについて肝に銘じた。