1975年のShiversという映画だが、おすすめするわけではない。そもそもU-Nextでカタカナのタイトルを見たとき「シーバース」と書かれていて、それがShivers(震え、おののき)だとはまったく思わなかった。Sea Birth という妙な英語でもあるのかと思ったほどだったが…。
クローネンバーグの作品で好きなのは「デッドゾーン」と「スキャナーズ」である。
この、シーバースは…。なんと表現したらいいのか、ひと言で書くなら「デビュー作でこのオチか」である。たしかに70年代くらいはダークな終わり方をする映画もあったが、これはまったくもって、ひねりもなく終わる。
あらすじを少し書いておくと…。
高級集合住宅(入り口に警備を兼ねた管理人が常駐)が舞台。1階には住人用の広い屋内プール、敷地内には森のようなグリーンが広がる。その建物内で、体調不良の若い男性がある部屋を訪れる。だがそこでは惨劇が起こっていた——(この惨劇は、最初のうちは中年男性が若い女性を性的に襲っているように見えるのだが、その体調不良の男性が訪れるころには、血みどろの意味不明な展開になっている)。そして、やってきた男性の「内部」には、それ以前からあった兆候があきらかに顕在化して「なにか」がいるようにしか見えなくなってくる。
その惨劇で死亡したのは内科医(医師A)、そして部屋の住人の女性。住人女性は何らかの理由で内科医の手配した部屋に暮らしていたことになるが、その理由は少し遅れて、内科医に協力していた別の医師(医師B)が資料を読み込んでからあきらかになる。寄生生物を体内に入れて体調を整える研究をしていたというのだ。住人の女性は実験台だったのだろう、と。
同じ建物に住みその惨劇の発見者となった主人公(これも医師であり、Cと呼ぶ)は、体調不良だった男性の妻から往診を頼まれていたため、夕方に夫妻の部屋を訪れる約束にしていた。それを聞いた医師Bも同行予定だったが…。
建物内で次々に、猛烈なスピードでその気色悪い系の生き物が増殖し、ひとりずつどころか同室の人間らをまとめて宿主にしてしまう。宿主になった人間らは、最初の男性は悪化まで時間が数日程度はあったと思われるのに、またたくまに生物を「増産」してまき散らしはじめる。
これ、オチはまさか全滅か〜と、そう予感せざるを得なかったし、ほぼその通りだったが、1956年版のボディ・スナッチャー(モノクロ作品)のような雰囲気(周囲の街は警戒しているという流れ)で終わった。
クローネンバーグの作品がたくさんU-Nextにはいっているので、もう何本か見てみる予定ではあるが、デビュー作にはちょっとがっかりである。