2009年の映画で、オーストラリアとイギリスの合作。主演はメリッサ・ジョージ。関係ないがこの女優さんは往年の女優スーザン・ジョージのように、疲れた表情にそれだけで色気がある。もちろんジョージが同じといっても、血縁はないが。
病気で手のかかる子供がいて日々の世話に埋もれている若い母親が、知人男性からヨットのクルーズに誘われる。気持ちが不安定で泣いている男の子をどうにか車に乗せて目的地に急ぐが、到着時、なぜか彼女はひとりだった。うつろな目で、子供は学校に送ったと語る彼女を、ヨット仲間は気味悪がる。だが誘った友人は、彼女の心の疲れを癒やすことに懸命だった。
ところが、順調だったクルーズの途中で、風がぴたりと止まり、ヨットは停止する。不審に思う彼らの前に大きな嵐が起こり、船は転覆。命からがら助けを待つ一同の前に、大きな客船がやってくる。
——わりと早い段階で「え、これどういう映画?」と思うのだが(なぜって、人がバタバタ死んでいくにせよ、普通はひとりずつ少しずつという段階を経て、最後に主人公がひとり残るだろうと思うのだが、この映画では、あっというまにほぼ全員が… ^^;)、やっと話がわかってくると、今度は次の疑問が。
…同時に存在できるのは何人、何重の設定なのだ?
(わざと曖昧に書いているが、見た人にはこれでじゅうぶんわかると思う)
そして最後の最後の最後。
「んじゃ、話のはじまりは、どこだよ?」
と、見ている人はほとんど全員、この疑問で終わると思う。
ま、そこそこの映画ということで(苦笑)。