イトーヨーカドーネットスーパーの件。先日こちらに書いたあとで…
イトーヨーカドーネットスーパー: リニューアルに失敗
…何度かログインを試みたが、アクセスできたかどうかというタイミングでエラー画面(アクセスの急増によりエラーが、などの文面)が出る。いらいらしたが、イトーヨーカドーで来週の分の注文ができないならば別のスーパーに手配しなければいけない事情があったので(←わたしは数日以上前にその手配が完了していないと不安になる性格)、それからも時間をあけて何度か挑戦。
本日未明(13日)にどうにか無事注文ができた。夜中だからというよりは「たまたま」だったらしい。注文がほんとうに通っているかどうかの確認のため昼間にふたたび訪れると、何度でもお詫び文面に飛ばされた。夜中に複数品目の注文が無事に完了するまでエラー画面を見なくて済んだのは、奇跡だったかもしれない。
さて、今回の件で「謝り方」にはほんとうにいろいろあると感じさせられた。イトーヨーカドーネットスーパーのお詫び文面は2種類程度あったようだが、ほぼかなりの確率で「アクセス急増により不具合が」と、人がアクセスしていることが原因であるかのような不快な文章が出た。ごくたまに、アクセス急増以外で「エラーが出ています」といった文面もあったが、それを見たのはせいぜい1回か2回である。
アクセス急増は不具合の原因ではない。アクセスしたいのに反応をしないサイトに対して人が何度もアクセスすることは、反応がないことへのそもそもの原因ではありえない。それにヨーカドーは以前から店単位で枠を設けており、たとえば○○支店の注文をしている人がいま○○人いるから、その人たちが買い物が終わるまでいったんアクセスを許可しないといった機能は、以前は生きていた。少なくとも今回のリニューアル失敗以前は、その仕組みがあって機能していた。
新型コロナでステイホームの人が急増し、注文できないことがあった際も、その「枠」に降り遅れると希望時間帯が埋まってしまうことがあった。あのたいへんな時期にもがんばっていた店だというのに、今回のていたらくを「人のせい」にされてはたまらない。
さて、今回の件で、2年ぶりに頭に浮かんで離れない「人のせい」の話がある。
テレビ朝日がウェブCMで、若い女性というものへのステレオタイプな概念をわざわざ持ち出し、若くて何も知りそうにないような女性がいろいろ意見を持っていて、しかも9時54分になると電話を切ってテレビを見ようとする、そこで「こいつ、報ステ見てるな」という男(通話相手)の声が聞こえ、その文字のテロップが女性の顔に貼りつくというものだ。
若い女性だからといって、「こいつ」呼ばわり。そして内容も「こんなに若くてきゃぴきゃぴしていそうな女性でも、報道番組を見てるってすごいっしょ」を言いたかったのみである。
あれほど人を馬鹿にしたCMだったのに、世の中の一部の人たちは声高に「ちゃんと冷静にCMを見れば、意味はわかったはずなのに」とのたまった。冗談ではない。騒ぐ方が悪いというのだ。鷹揚にかまえろと。騒ぐ人間への冷笑と蔑視がこれまでの社会をどれだけ悪くしてきたか、人を抑圧してきたか、わからない人にはまったくわからないだろう。
この件、つられてセットで思い出してしまった。
さらには、このヨーカドーの件を、日経新聞以外はウェブ記事にすらしないメディアばかりであったことにも、腹が立った。これがネットスーパーではなく幅広い世代や性別が利用するサービスであったなら、もっとメディアは騒いだはずだし、あとからでも騒ぐ。
わが家はたまたまこのところ「自分たちで買いに行く」という選択肢が可能な時期であったものの、そうではないこともあるし、人によってはこうしたサービスに頼り切りの場合もあるだろう。食べるものを配達に頼っていてそれが急にかなわなくなる、注文ができないというのは、目の前にある食品庫の鍵を奪われて困りきっているのと同じ状況なのだ。
イトーヨーカドーは、おそらく今後も利用をするだろうが「アクセス急増で」の表現は、今後もずっと忘れない。