ある一戸建ての広告

 相変わらず、不動産物件をネットで見ている。ある場所で、お得そうな広告を見た。築数年で広さもあり、南に面していて車を置くスペースもある——それなのに、微妙に安い。同条件ならほかで1000万円くらい足されていそうな値段。

 だがその場所の広告を出していた不動産会社のうち1社が、場所に直結しそうな地図を掲載していた。拡大してみたところ、なるほど線路の脇。しかも踏切もそこそこ近い。あの遮断機の音までセットでついてくるとなると、これはかなりの騒音だろう。

 先週その場所の近くを歩いていたので、この先の踏切だよなと目を向けると、そのそこそこ近い場所に物件が見えた。

 以前からその界隈に住んでいて慣れている人ならば別かもしれないが、これまでの持ち主または新築直後に入居した方が、音や振動で悩まれたことは、想像に難くない。

 そして許せないのは、何社もがこの物件を紹介しているというのに、線路と踏切が近いことをほんの少しでも匂わせている会社はひとつもなかったこと。これって、ありなのだろうか。野菜や牛乳の話ではなく、数千万円の買い物である。線路と踏切近しと、どうにかして匂わせる方法はないのだろうか。そして、倫理的にどうなのか。

 わたし自身は、1社がたまたま場所のヒントになることを書いていたために気づいたが、それも土地勘がある場所だったからであり、運がよかっただけだ。そうでない人たちは、詳細を問い合わせもしくは物件にまで案内してもらってようやく「あ、なるほど」となったのだろう。

 これからも、不動産のサイトはしばらく見ていくことになる。
 情報を集めて、その日が来たときに見る目が養われていることを祈るのみだ。