今日は冷凍食品の粽を食べたのだが、鶏肉などがごろごろはいった本格的な中華風のもので、なかなか美味だった。
メーカーは違うと思うが、楽天から画像を。

そして粽を食べながら、もう30年近くも前になるかと思うが、ある外国人男性のことを思い出した。
当時はインターネットというのは黎明期で、パソコン通信をしていた人たちが少しずつインターネットに流れたり、同好の士でメーリングリストなどに集まって情報交換をしていた時期だった。もちろんウェブサイト(当時は個人が作るものは1ページから数ページ程度の分量で、いわゆる「ホームページ」だった)も数が少なかった。
そんなとき、配偶者が日本人もしくは日本に縁者がいるという外国人男性が、自分が食べたことがある○○粽(○○には地方名か何かがはいっていた)について聞いて回っているという話が聞こえてきた。わたしのメルアドもその人に回しておいたのでそのうちメールが行くだろうという。
誰に答えてもらってもわからなかった内容というのは、いったいどんな粽なのだろうと、不思議に思った。たとえばただの広い意味での「粽」ならば、料理としての中国風の粽や、軽食やお菓子のようにもとらえられる日本風の粽いろいろあるので聞きながら話を絞りこめばいいわけだが、そんなに何人も聞いて回るほどすごい内容なのか、と。
(粽の種類や歴史については → Wikipedia:ちまき をご参照いただきたい)
ところが、その男性からメールがやってきて、わたしが上記のように「確認ですが、これこれこんな感じの食べ物ですね」と絞りこみをおこなおうとしたところ、やりとりはあっけなく終わってしまった。メールが来なくなったのだ。いったい何なのかと思ったが、こちらから再度メールをする意味もないので忘れかけていた。
それから約1週間後。
わたしが出入りしていた食べ物関係のメーリングリストに、誰かからの紹介ということで、その男性が英語で参加した。メーリングリストの参加者は学生が少なく社会人かそれ以上の年齢が中心で、もともと外国語にも関心がある方々だったので、みなさん親切にしてあげようとしたのだが……わたしはうかつにも、ちょっとぶち切れそうになってしまった。
内容が、わたしも含めていろいろな人(わたしをその人に紹介した方々)に見せたままのもので、しかも「この粽について知っているかと日本人に多く尋ねたが、みんなI have no idea.(わからない)と答えたのだ」と添えてあった。
そのときにやっとわかったのだが、つまりその人は全般的な解説や細かい説明などは不要で、そういう名称での粽を知っているかどうか、知っているならその粽の作り方または食べられる場所の情報をもらいたい、というだけの意図だった。こちらへのメールにろくに返事をせず次の人に尋ねて、のちにはメーリングリストにやってきて、直球の回答だけを求めていたという、まったく態度がブレない人だったことになる。
だがその「わからない」と書かれた人たちのうち何割かは、わたしも含めてそのメーリングリストにいたことを、その人物は知らなかったのだろう。
詳細は忘れたが、わたしは大人げないことに「わからないとは書いていませんけれどね」と、チクッとメールを出してしまった。おそらく何らかの気まずさが数日間はただよったのだろうが、粽の件を尋ねるだけ尋ねて、またすぐその人は消えていった。
いまならば、中味はほとんど同じヤフーの知恵袋や教えて○○などの掲示板で同じことを何カ所にも書いて、注意されてしまうタイプの人だったのかもしれない。
共感だけ、「知ってるよ」だけを求めたにしては、ずいぶんと手間をかけた人だったなと、いまにして思う。