家のどこかに…「仙境異聞」

 持っているような気がして昔のメールを検索したところ、2018年にe-honで注文して近所の書店に受け取りに出たことになっていた、平田篤胤の「仙境異聞」。不思議な存在に出会い、山で7年のあいだ修行を受けた少年が語る話を、嬉々として平田篤胤が書き取ったものとして知られている。

 読んだ記憶がほとんどない。おそらく、積んであるのだろう。

 なぜこんなことを書いているかというと、Kindle Unlimitedに、坂東眞砂子の「貌孕み」(かおはらみ)という連作短編があり、それがこの仙境異聞の世界を引きずったものだったからだ。先にそちらを読んでしまったが、平田篤胤のほうを頭に入れていたら、もっとおもしろかったのかもしれない。

(画像はAmazonから)

 この作品中では、かつての少年「寅吉」が30歳くらいになってまた家に現れ、家の人間らと交流を持ちながら、昔語り(自分が見てきた近代日本と思われる都会や外国の話)をしていく。語っている江戸時代も、語られている擬似的な現在も、どちらも人間の業が深くて気持ちがけっこう暗くなるが、ああ坂東眞砂子とはこういうのを書く人だったのかと、亡くなってしばらく経つ2022年に、あらためて考えた。

50年くらい前の本「20カ国語ペラペラ」が復刻

 最近Amazonで翻訳会社運営の男性によるポリグロットの本を何冊か読んだのだが、「そういえば何十年か前に、20カ国語ペラペラという本があったよな」と検索したら、なんと、復刻していた。

 この本は高校生のころに読んだが、おもに「ひとつの言語(たとえば英語)を習得したら、その言語を足がかりに、teach yourself シリーズなどの教材を利用しながら、どんどん独学していく」というものだった。

 この Teach Yourself のシリーズは、数十年前は田舎の書店でも手にはいるほど人気だった。ただしその後のように音声教材が添えてあるような商品、あるいは現在のように購入すればネットから音声がダウンロードできる商品とは違い、文字を通じた読み方が書いてあることがほとんどだったと思う。

 現在も同じような名前で本や教材がネット書店で買えるが、同じ流れを汲むものなのかどうかはわからない。なにせどう考えても teach yourself は一般的な用語で、これで何十年にもわたって商標がとれるほどの特殊性はないと思われるためだ。

 Duolingoで毎日7カ国語をやっているが、ほんとうに楽しい。リーグで上位にいたいのでさらなる言語に手を出す時間がなくなってきたが、リーグが気にならなくなったら、もっとやりたい。

 最近読んだポリグロットの本は、こちら。ご自身も10カ国語以上に精通し、翻訳会社を経営する猪浦道夫氏の本。

 ちなみに、Kindle Unlimitedで月額会員になると、どちらも定額で読める本である。

NetflixとAmazonの影響力

 ずっとAmazonのウィッシュリストに入れていた小説がある。2015年ころにとても話題になったということで、気になっていた。
 どうせ積ん読が多いから読まないだろうと思いつつ、2年くらい前からはウィッシュリストにも入れていたのだが、ひさびさにリストを隅々までチェックしていると、その本にベストセラー1位のマークが。しかも値段もお手頃。

 数年前に話題になった本がなぜいまベストセラー1位なのかと検索したら、Netflixが近々ドラマにするらしい。配役も決まりつつある段階。それで話題になったのだろう。

 あらすじは、パリに住む盲目の少女とドイツに住む少年の話を交互に描くもので、関係のない場所に住むはずのふたりが、あることを通じて実はつながっているという、歴史小説でもあり(舞台は戦時中)、ファンタジー的な要素もあり、切なさもある話らしい。

 昨日は680円だったので、普段の値段は忘れたが、とりあえず損ではないので買っておいた。わたしもじゅうぶんに影響を受けやすい人間だと自覚した。

小説のネタを思いついたとき

 ネタは頻繁に思いつくのだが、だいたいにおいてわたしは「終わり方」のコツがわからない。これまできちんと終わったと思えるものがあったにせよ、数はそれほど多くない。

 これまでの、あるある事例。

 ○ このネタを書きたい、短編ならばだいたい終わらせられそうだと、構想を考える。
 ○ 細部まで考え終わらないうちに、余計なことを考える(例: どこのサイトに載せようかなど)
 ○ 細部が決まっていないのに「まずは書いてみようか」など、流れにまかせたいという誘惑が。
 ○ ここでまた「どこで(誰に)発表しようか、自サイトなのか、投稿サイトなのか…それによっては文体なども少し変わるだろうし、どうしよう」
 ○ これって、短編よりこういう風に膨らませたら、おもしろくね?(←そういう考えはまず短編を書き終えてから別作品として発展させればいいことなのだが、とことん脇道にそれる)
 ○ いや、とりあえず、書いてみよう。何か生まれるはずだから(←ひとつでもいいから終わり方の候補を考えてから書けって)

 …はたして、今回のネタは、どうしたらいいのだろうか。思いついているあらすじくらいは、どこかに書いておくとしよう。

楽天Kobo

 電子書籍はAmazonばかりだったのだが、楽天ポイントがある程度あったことで、Koboにも手を出してみた。というのも、ポイントはある程度まとまった額があったのに、物品としてほしいものがとくに思い浮かばなかったのだ。

 なんとなく楽天Koboに行くと、なんと「初めての人は合計で1100円以上の電子書籍を買うと1000円引きます」というクーポンが出ていた。そこでAmazonのウィッシュリストに入れていた電子書籍を見ながら、2冊の合計が1500円弱になるものを選んで楽天Koboに入力し、2冊まとめて購入ボタンを押してみたところ、たしかに1000円引きの表示が。そして差額の数百円を、ポイントから払うことができた。

 多くのサービスにおいて、初回限定の人用クーポンというのはかなりお得にできていることが多いが、客が一歩を踏み出すきっかけとしては、いいのかもしれない。
 今後もずっと使うかどうかはまだわからないが、ひとまず電子書籍2冊をお買い上げ。

小松左京の短編「召集令状」

 数日前に、名作「くだんのはは」の収録されている短編集で、できればKindle Unlimited対応ものはないかと検索したら、これがあった。

 現在の日本の世相と比較しながら読むのもよろしいかと。
 短編なのでネタは書けないが、ほとんど戦争を知らない世代に、次々に召集令状が届いて、その予告された日付と時刻になると、どこかへ消えてしまうという話。ひとり、ふたりではなく、日本の国全体でそれが起こる…。

 小松左京は著作が多いので、何かしらの作品がKindle Unlimitedの対象になることが多い。借りたままにしておけば、それが対象からはずれても読んでいられるので、タダになったタイミングで落とすとよいと思う。10冊までキープしておける。

Kindle Unlimited(10冊まで読み放題)の無料体験で、30日までお試し可能。

立花隆氏の訃報に

 氏の名前を耳にして、どういった書籍名を思い浮かべるかは人それぞれと思うが、わたしはおそらく「臨死体験」以外に、最後まで読み終えた本がない。それが読み通した唯一のものであるため、氏について人物は語れないが、本はかなり印象深いものだった。厚い本で、処分した記憶はないので、家のどこかにまだあると思われる。

(画像はAmazonから、Kindle本へのリンク)

 本の構成としては、かなりの分量を、臨死体験のインタビューに割いていた。そしてさまざまな考察を、これまたあちこちの書籍や著者インタビューなどを通じてつづっていた。読み手であるわたしは、頭にはいりやすい状態になったデータベースを文字で見せられているようで、「いったい何人で働いているのだろう(著者名は立花隆氏ではあるが、協力スタッフは何人いるのか)」など、氏の取材力と人脈とに、圧倒させられた。

 80年代ころだったと思うが、日本ではやたらと「ユングとフロイト」が流行った。わたしも何冊か本を買って読んだ。小此木啓吾氏(フロイト研究)、河合隼雄氏(ユング研究)の本もかなり出版され、わたしはそれらも何冊か読んだと思う。いや、何冊かどころではなく、かなりはまっていた。とくにユング派とされる研究者の本(翻訳本)も、書店で見かければ購入していた。

 その後、ユング関連本からは、少し遠ざかっていた。

 2000年代はじめに、この「臨死体験」を読み、否応なしにその世界に引きずりもどされた。やはり心理学的な話とは切っても切れないものだからだ。
 体験をした人々は、それまでその人たちが意識していなかったはずの、不思議なことを語りはじめる。それはご自分たちの意識していない深層心理、あるいは周辺の人々やコミュニティに語り継がれてきた、集合的な記憶によるものかもしれないが、なんらかの共通項があった。そしてその「不思議」を整理していくと、光るもの、飛ぶものなど、どこかUFOめいたも話も、混じってくる。
 UFOだなんだといっても、著者はオカルトな流れに読者を安易に誘導するのではなく、体験者の住環境、年代、性別、宗教観などがさまざまな場合でも、話に何らかの共通項がある体験が語られるはなぜだろうと、またもや膨大な書籍や、体験事例を紹介していく。

 読みやすい本だった。楽しめた。
 20年近く前に読んだので記憶違いもあるかもしれないが、わたしにとって立花氏の「臨死体験」は、複雑であるはずのものを平たく可視化してもらった印象だった。

 家の中を探すか、Kindleでまた買って読むか。ひさびさに読んでみたくなった。

(最後ではありますが、立花隆氏のご冥福をお祈りします)

「ながら」を探して

 子供のころに、暗記するほど読んでいた本をAmazonで見つけて、購入したのが最近。
 童心社「むかしむかし」という、こちらの本。

 P.132からはじまる「したきりすずめ」で、すずめに謝ろうとして歩いているおじいさんが、うまあらいの人を見つけ、道を尋ねる。すると相手が「このうまのあらいしるを、七おけながらのんだら、おしえてやろう」と答える。え…なんですかそれ、罰ゲームにしても意味不明すぎ。だいたいこの人はすずめの家族でもないだろうし、おじいさんを困らせる理由はないはず。からかうにもほどがある。

 …しかも「七おけ(おけに強調の傍点)ながら飲む」の、ながらは、なんだろう。

 まずは子供心に、「ながら飲む」という単語があるのかと考えた。あるいは「七おけながら、飲む」だとしたら、「七おけ”ながら”ってなんだよ」と。

 誤植や著者の書き間違いでない証拠に、おじいさんが馬の洗い汁を飲んだあと(←うぇぇ〜っ)、うまあらいは「むこうのうしあらいどんに聞いて」と言う。またうしあらいどんは「うしのあらいしるを、七おけながらのんだら」と返す。おじいさんは、また飲む。

 …この「ながらはどこにかかるんだよ問題」は、読んでから何十年も経過していたものの、やはり現在も引っかかっていた。記憶違いでないことを確認してからネットで検索したが、別にそんな方言はなさそうだった。仕方がないので新明解の辞書アプリに頼ると、古い言い回しとして最後に注釈が。
 > 「その同類が、そろってそのまま同じ状態にあることを表す」意の古風な表現。「兄弟三人——(=とも)政治家になった」 
 けっきょく、これなのだろうか?

 あるいは「小学生ながら大学卒業資格を得た」などの場合の「ながら」だろうか。普通は無理だろうけれどないとは言い切れないというときの「ながら」…ということか?

 それにしても、うまあらいどん、うしあらいどんは、自分たちがすずめの敵討ちをしているわけでもないのに、謝りに来たおじいさんに、七おけは無理だろうけど飲んでみたら教えてやるよというのは、あまりに人間としてふざけている。
 で、こんなふざけている話なのに、それに対する説明がなく話は進み、そして終わる。

 昔話とは、不可解である。

ユリ・ゲラーが小説を書いていた

 昨日たまたまある本を読んでいたら、ユリ・ゲラーは4作ほど小説を書いたことがあり、処女作のEllaはそこそこ売れたらしいという話が載っていた。

 Kindle版はUnlimitedで0円、購入で300円らしい。いちおうUnlimitedの枠が残っているので、ダウンロードしてみた。まだ冒頭のみしか読んでいない。

 ユリ・ゲラーといえばスプーン曲げ。そして初期はスプーン曲げの人だったのに、いつしかリモート・ビューイングもできますよやら、日本の宜保愛子と一緒に外国ロケをするやら、さまざまな展開でお茶の間を楽しませてくれた。そして昨年(2020年)だったかと思うが、ポケモンに出てくるモンスター「ユンゲラー」がスプーンを持っていることから、自分を揶揄または侮辱されたと考え、米国で任天堂に対して訴訟を起こした(という過去があった)ことが、話題になったことでも知られている。

(翌日注: 起こしていた訴訟を取り下げて話題になったのが2020年。以下のTweetがそのときの表明)

 自分個人としては、氏の当時の活動で損害を受けていないが、あの超能力ブームのころに多感な時期を過ごした方々は、少しは影響を受けている人もいるはずである。そしてあのころは、つのだじろう著「うしろの百太郎」などもあり、心霊がどうの、超能力がどうのということは、たいへんな話題になっていた。
 そういう意味では、氏が社会に何らかの好ましからざる影響を与えたのではと問われれば、自分にさほど認識がなくとも、それはありうると答えるべきなのだろう。

 さて、ひとまず、小説を読んでみるとしよう。

まさかの「料理通信」休刊

 実に残念なことだが…。

 楽天マガジンに年払いで参加しているのは、料理通信のためだった。他社のオンライン雑誌サービスに、料理通信がはいっていなかったからだ。だが先ほど「今号はずいぶんと力がこもっているな〜」と思ったら、最後に休刊のお知らせ。ああ、最終号だったからなのか。

 創刊号から覚えている。料理王国から独立したメンバーとともに君島佐和子編集長が新しい船出をしたのだ。毎号のように店頭で確認していたが、頻繁には購入していなかった。そして最近では楽天マガジンで読んでいた。こういう似非愛読者が、雑誌にとってよい客ではなかったということも、休刊の理由としては大きいのだろう。

 ただ、紙としてのメディアは休刊をするが、ネット上では活動をつづけていくということなので、バックナンバーの電子版は今後も引きつづき買えるのだろうと思う。そうであってもらいたい。

 ウェブメディアで料金制または有料コラムが出現するのであれば、今度こそ、これまでのお礼として会員になりたいと考えている。

 …さて、楽天マガジンは、今後は何を楽しみにしたらいいのか。年払いだったので、少し様子を見ることにしよう。