誹謗と、中傷

 誹謗とは、各社の辞書によれば、悪口を言うこと。中傷とは同じく、根拠ない言動で他者の名誉を傷つけること。

 SNSでは新聞やニュースのコラムをよく読む。普段は記事本体しか読まずに次に行くのだが、今日は偶然にジャニーズ事務所関連のコラムで「コメント欄」を見てしまった。
 あまりにひどい中傷。なぜそんなことを書くのか見当もつかない。相手に自分が誰かが見えていないと思い、そんなことをしてしまうのだろうが、悪質の度合いが目に余れば相手が正式な手続きをとって自分を特定できることを、知らないのだろうか。

 かつてNTTのサービスでナンバーディスプレイが開始になってまもなく、特定されることも知らずに嫌がらせ電話をかけた人物が警察に通報され、逮捕されたことがあった。市町村の公的人物の家に地元から嫌がらせをした事件だった。自分の番号が出ることがわかっていたらぜったいにやらなかったはずだ。だが開始後にいち早く導入したその家には、普段から困っている事情があったのだろうと、容易に想像ができた。

 ジャニーズの関係者のみならず、これまでもネットでの誹謗中傷はひどいものだった。だが今回のように性犯罪の被害に遭った人たちに対して、そんなのは嘘だったと書くことは、なぜそんなことをするのかほんとうにわからない。ジャニーズ事務所のファンというよりは、弱そうに見える立場をたたくのが好きな人たちなのかも(どんな事件でも弱そうな方をたたくコメントをするのかも)と、勘ぐりたくなる。

 また、一般の人間にこうして目に見えているもののほか、個人に陰湿に送られるメッセージや文書の投函などを想像すると、被害を名乗り出ることや告発をすることがどれだけたいへんだろうかとも、恐怖に近い感覚を味わう。

 今回、ネットでわたしの周囲の人たちの意見を見たかぎりでは、新体制をがんばると言っているのだから様子を見ましょうと、東山新体制のジャニーズをひとまず見守るという意見があるようだ。わたしはそこまでは信じられないし期待を寄せてはいないが、そういう意見の方々と、自分のような違う意見の人たちが、どちらも今後に声を上げられることが必要だと、強く願っている。

関東大震災から100年

 関東大震災といえば、わたしの亡き父ですらまだ生まれていなかった時代(その数年後に誕生)だが、母を通じて、父方の祖母らがどんなにたいへんだったかの断片を聞いて記憶している。倒れてきたものがたまたま体の斜め上に(空間をあけて体の上に三角形の蓋をするように)止まったので、体が圧迫されずに空間を維持したまま生きることができたというのは、たしか祖母の話だっただろうか。九死に一生を得たそうである。

 発生は昼時で、かまどを使っている家庭が多く、被害は拡大した。

 東京などの都会では、避難場所を求めて集まった大勢の方々が、避難の過程、もしくは避難場所にやってきた炎から逃げることができずに、火事でなくなった。
 デマに流されての集団暴力や殺害(朝鮮人の方々を多く含む)もあった。

 とてもたいへんな状況だった。

 大規模災害や、発生時の集団心理による混乱や犯罪は、これまでもこれからも、何度でも起こりうることだ。
 少しでも被害を減らせるよう、肝に銘じておかねばならない。

大量の迷惑電話

 福島県の飲食店、学校、役所などに、中国からの国際番号で多くの迷惑電話がかかっていると報道があった。

 どれほど苛立ちがあっても、それをおこなったわけではない一般人や学校などに迷惑行為をしていいはずがない。また、仮に政治家や東電に文句があるにせよ、もっと違う方法がいくらでもあるはずだ。
 迷惑電話は、本人がそこに出向く必要がない分だけ、自分は安全な場所にいて相手だけを傷つける卑劣な行為である。

 以前なら国際電話も料金がそれなりにかかったため、こういう手段に出ることは多くなかったのかもしれないが、最近はネットアプリ経由やIP電話などを利用した格安なプランもあるのだろう。

 嘆かわしいことだ。

日航機墜落事故から38年

 徳島出身の友達から夏に泊まりに来こないかと誘われて、新幹線やフェリーを乗り継いで出かけた初めての徳島県。到着したその晩、あるいは翌日の晩に、日航機墜落事故をテレビのニュースで知った。友達やご家族と一緒に「何人くらいだろう、生き残った人がいるといいな」と、話をした。墜落現場が山奥であり事故は夕方、詳細な場所までの情報が錯綜し、救助に時間がかかった。生存者は4人だった。

 あの日のことは、忘れられない。
 その後に予定通り国内線のキャンセル待ちで東京に帰ると伝えると、田舎の親が電話口の向こうで悲鳴のような叫びをあげた。無理もないことだ。だが、当時あったTDA(東亜国内航空、その後に日本エアシステム、現在は日本航空に吸収合併されて消滅)で無事に羽田に帰った。

 500名以上の人が亡くなった。ご本人らの無念さ、そして残されたご家族にとってのその後の年月を思うと、言葉もない。
 

サントリー不買運動

 従来の紙の健康保険証を廃止してマイナンバーカードに保険証の機能を持たせるという国の方針に国民の多くから大ブーイングのさなか、サントリーの社長である新浪氏が、予定通りにきっちりと進めてほしいとの発言を6月28日にしていたことが動画で拡散された。すぐさまネットでは「サントリー不買運動」というキーワードが生まれた。

 2023.08.05 SMART FLASH 岸田首相「保険証は廃止」発言で掘り起こされた、サントリー新浪社長の「廃止の納期を守れ」傲慢発言

 さっそくわが家でも、これまでメーカーがどこかを気にせず買っていた商品でサントリーがないかどうかをチェック。まずはたまに飲んでいて家に少し在庫があった「のんある気分」。「ワインの休日」も「ほろよい」もサントリーなので、次から買わない。
 そしてドライフルーツを漬けこんでコーンフレークのトッピングや洋菓子に入れていたブランデーがサントリーだったので、現在のボトルが終わったら次は他社製品にすることに。

 コーヒー飲料の「ボス」も、たまに飲んでいた「DAKARA」も。このあたりは次から別メーカーに。

 社長を交代したくらいでは、これは解除しない。消費者をなめるな。

たかが1000円ちょっとで身分証明書

 ある場所でのこと。別にタバコでも酒でもなく、年齢制限がある商品ではない。取り寄せでオンライン支払いをしたものを、最寄りの営業所に届けてもらうだけだ。何度か利用したが、最近「受け取りの際は身分証明書が必要です」とメールに表示されるようになった。

 冗談だろうと、最初は思っていた。実際にメールの文面を見せたら本人と見なしてくれて何も言われなかったこともある。その代わりメールの文面にある受注番号などをきっちりと確認してから渡してくれた。だが先日の担当者は、名前以外の文面をまったく見ずに、それが身分証明書の名前と一致しているかどうかを見ればよいとの判断だったらしく、ほんとうに見せろと言われた。かなり驚いた。

 料金はいつも1000円少しで、家族用の健康食品だ。これで、身分証明書(運転免許証のないわたしはマイナンバーカードになる)を見せろと。はぁ…?
 これなら少し割高でも別の店で通販の際に一緒に買った方が気分がよい。

 これで思い出したことがある。かなり前——20年以上も前だろうか。ある知人が「メールアドレスがほしい、少しネットが見られるだけでいい」と、どこの接続プロバイダに契約しようかと質問してきた。たいして使わないならば少額プランがあったソネットを勧めた。
 その人は入会するつもり満々で、ソネットに入会の用紙を送ってもらったところ(当時は入会申し込みが紙だったのだろうか?)、驚きの事実が。クレジットカードを使わない場合は世帯主の名前とハンコをもらえと書いてあったそうだ。
 いまならば、楽天のように審査が簡単なクレジットカードが手にはいる。だが当時は違う。その知人は転職期間中、しかもいったん実家に住んで今後を考えようとしていたときだった。ひとり暮らしなら世帯主は自分、実家にいる場合は親や世帯主ということになるが、その人にとっては苦痛でしかなく、ソネットに入会するのをやめた。

 わたしはそれを聞いて代わりに腹が立ってしまい、知人のことではありますがと、ソネットに苦情メールを書いた。
 初心者で、まずはメールアドレスが持てて、ネットは慣れるまでほとんど見られないから少額プランでいいという人は、せいぜい毎月1000円台〜2000円台ではないかと。それで成人している人に向かって「世帯主の名前を書いて押印とは何事か」と。
 ソネットはすぐに返事をくれた。そういった案内やクレジットカード関連の業務はなんたらかんたらという会社にまかせているが、人を傷つけてしまいかねないことについて今後は配慮していく、といった内容だった。

 そう、あの20数年前のことと、今回の「千円ちょっとの健康食品受け取りにマイナンバーカード」が、頭の中で妙に重なるのだ。数万円ならまだわかるが、杓子定規にもほどがある。

 健康食品については似たような価格の店をどうにか探して、今後は利用しないつもりだ。

見られるものならふたたび「東京ローズ」

 8月が近づくと思い出すことがあれこれ増える。

 時期が時期だけに、おもに歴史や戦争関係で考えてしまうことが多い。思い出は本であったり映像作品であったりもするが、とくに2010年8月15日にテレビ朝日で放送された “ザ・スクープ 消えた東京ローズを追え 戦後65年目の真実” は、見られるものならまた見たいと思うほどに心に響いた。何らかの権利関係があるらしく、番組のバックナンバーにも少しだけ紹介されているのみなのが残念だ。

 戦時中、日本の近くにいた米兵たちに短波ラジオを通じて、故郷を思い出すような音楽やメッセージを流しつづけた女性たちがいた。米兵らは彼女たちを東京ローズと呼んでいた。

 戦後、東京ローズとは誰だったのかという問いに、ひとりの米国人女性(日系アメリカ人だが日本滞在中に開戦となったので帰国できず)が、自分ですと答えてしまう。それが運命を大きく変えた日だった。

 この女性アイバ戸栗(とぐり)さんは、複数いた女性のうちのひとりでしかなかった上に、米兵らがもっとも熱く噂していた声の人物とは異なっていた。だが戦後の苛立ちや怒りの矛先を求めていた風潮により彼女は悪意にさらされてスケープゴートとなった。日米それぞれの地において彼女は取り調べや裁判を受け、まずは現在のサンシャインシティにあった巣鴨刑務所で服役。その後、米国に帰国するも生まれながらに持っていた米国市民権を剥奪された上で服役。社会的な差別にも長くさらされ、市民権の復活までには30年もかかったという。

 その番組では、米兵らが熱く語っていた魅惑的な声の東京ローズは誰だったのかなどにも言及していて、かなりわかりやすい映像作品となっていた。

 あれほどの出来のものを当時だけの放送でしまいこんでしまうのは、なんとももったいない話である。もっと多くの人に知ってもらって引き継いでいくべきだろうと思うが、何かその年だけしか放送できないなどの制約があったのだろうか。

料理人用の包丁

 数日前は福岡で、そして今日は新宿駅で、料理人の包丁が利用客に見えたために運行上のトラブル(新宿の場合は逃げようとした人々が負傷)が起こったという。

 これは以前から何度も問題になっている。記憶では、刃物そのものは布でくるんであっても入れている袋が華奢であったため中が刃物であると察知され、騒ぎになった例もたしかあった。

 やはり、短距離だからだとかたった1本のためでは面倒などとと言わず、10分だろうと5時間だろうと、1本だろうと5本だろうと、移動で刃物を持ち運びする際には専用の袋を利用したほうがよい。それからとっさの時に人に見せられるような、料理人である証明(名刺でも店のパンフでも)を持ち歩く習慣。とっさのときは、口頭での説明だけでなく、文字がいい。

電気料金が大幅値上げ

 あまりのことに言葉がない。地域差があるものの、電気料金が4割くらい値上げになる場所もあるようだ。しかも数ヶ月後とか数年後ではなく、6月使用分からの話( → NHK: 2023.05.16 大手電力7社 6月の使用分から電気料金値上げの見通し)。

 エアコン代の節約として「窓を開けましょう」と官房長官が言ったのだそうだが、ヒートアイランド現象が改善どころかどんどんと加速し、街にかろうじてある街路樹や明治神宮の木々をばっさばっさと切り倒していこうという東京の現状を、なんだと思っているのだろうか。ここで窓を開けたら温風、熱風が直撃するんだということがわかっていない。ご自宅は高原の別荘地にでもあるのか。

 よいニュースがひとつもない。

 立憲民主党の代表は、連合の芳野会長との会談で「共産はずし」、「国民民主との歩み寄り」について語ったのだという。こんな代表は要らないので、立憲民主を枝野氏に返してご自分で好きな「ナンとか民主」を作っていただきたい。ゆずれないはずの野党共闘の理念や、枝野氏に思いを託して応援してきた大勢の人たちを、なんとも思っていないのだ。

 枝野氏ら旧執行部も、せっかく旧民主党の面々と何度も分離してそのたびに小所帯で仕切り直しをしてきたのに、そのたびにまた何度でも人数を増やしてしまうから、現代表のような人物にいいようにされてしまう。「ひさしを貸して母屋を取られる」典型例だ。いまは立憲民主を応援する気持ちになれずにいるが、かつてはほんとうに期待していた。

気になるニュース「いちごジャム」

 横浜駅で白の白いレジ袋の中に赤い液体のようなものが見えると通報があり、警察が調べたところ…(→ 2023.05.15 NHK JR横浜駅ホームに“袋入りの赤い不審物” 中身はいちごジャム

中身は瓶や袋などに入れられていない状態の「いちごジャム」

 これが、やたらと気になる。

 Twitterにあった写真を見たかぎりでは、よほど近づかないと中の赤さはわからないということなのかもしれないが、ただのレジ袋に見えた。

 容器が壊れてしまい、中味があふれてしまったので袋ごと捨てたつもりで、ホームに落としたのか。
 清潔なレジ袋であると自信があり、持ち帰って食べるつもりだったのか。
 あるいは瓶や袋にはいっていないといっても透明パウチで中が見えるいちごジャム製品だったのか。

 何事もなくてなによりだが、やはりこういうものは「勘違いだった」とか「何でもなかったからもう騒がない」ではなくて、きっちりと最後まで(事情がある場合は無理のない範囲で)報道してもらえないだろうかと思う。人が軽く考えるようになって誰も通報してくれなくなったら、それはそれで問題である。常に適度の緊張感が必要。あくまで適度な。