自家製の果実酒

 3年くらい前だったかと思うのだが、コロナ禍のせいか、世の中が「手作り」で沸いた。ホットケーキミックスが入手困難になったというのもそのころだし、さまざまな食材で「え、こんなものがなんで品切れだ」と驚くものもあった。

 そのころ、なぜかわたしは梅酒ほか果実酒に手を出してしまった。それまでは砂糖漬けでシロップを作ることはあっても酒には手を出していなかったのだが、たまたま梅が出まわる短い時期にスーパーで青梅を見かけたり、予約ができるタイミングでカリンをネットで見てしまったのだ。2年くらいは、梅やら何やらを漬けたように思う。

 だが、わたしはそういう作業が好きではあっても、それほど酒を飲まない。30代くらいまでは洋酒が好きで、その後も少しなら日本酒を飲んだが、もう「たまにちょっと飲む」程度である。そんな人間が、作るのをおもしろがって梅酒だ果実酒だとボトルに作ったのだから、目も当てられない。いまも中くらいの果実酒ボトルに3本も在庫があり、どれがどれだか(梅にブランデー、梅にラム酒、何かの酒で漬けたカリン)があるのだが、数ヶ月で実を取り出せばいいところを2〜3年放置である。いったいもう、どうなっていることやら。

 ひとまず、実を抜いて小瓶に移していた梅酒がやっと終わったので、上記の3本のうちどれかの実を抜いて、飲めるかどうか試してみなければならない。たった2年程度の遊びでこうなってしまうのだから、来年からはぜったいにシロップのみにしておかねばと肝に銘じている。シロップならば糖分なので実を抜いて軽く湯煎してから冷蔵庫に入れれば日持ちするが、アルコールは湯煎で温めたらただの液体になってしまうし、容器から実を取り出す作業で空気に触れたら劣化が進むことだろう。

 さて、なんとかせねば。