西武新宿線といえば、沼袋駅や新井薬師前駅から散歩がてら中野駅まで歩くことはときおりあるが、中井駅から東中野というのは歩いたことがなかった。初めて歩いてみた。
中井駅は駅前に大きな広場や商業施設があるわけではなく、こぢんまりとした商店街が南北に延びるだけである。バスが通れる道幅ではないため、多くの人は徒歩2分程度にある都営地下鉄大江戸線の中井駅に移動して乗り換えるか、あるいはほんとうに地元住民が徒歩圏内で利用する駅なのではないだろうかと思う。
わたしも以前に光が丘に遊びに行きたくて大江戸線の乗り換えに使ったとき以来なので、南にずっと歩くことでいろいろな発見があった。
まず、くり返しになるが、駅前からの道は「商店が多いがそこらへんの住宅街」規模である。新宿区でこれはすごい。だが道沿いには店だけでなく信用金庫やら郵便局など必要な機能は網羅されている。道が狭いのでゆくゆくは再開発という話も出てくるかと思うが、現在のところ、かなり過ごしやすいのではないだろうか。こぎれいな家やら昔ながらの住宅があれこれ楽しく混在している。
少し歩くと、早稲田通りにつきあたる。そのあたりは地下鉄東西線の「落合」駅だ。そこから大通りを南下してもよいのだが、あえて住宅街を縫うように進む。そのあたりは中野区である。
東中野駅の手前で、住宅街から大通りに出た。
北西側の大通りから駅を見ると「都会」である。駅ビルも整っていて、周辺には大型のスーパーもあり、ああ、多くの人が思い浮かべる都会の姿はきっとこうなのだなと感じる。
駅ビルの成城石井などを少し見たあと、駅の北側の通りを東方向へ歩いてみた。そちら方向に残る昔ながらの東中野は、ひと昔、いや、ふた昔前の佇まいだ。年季のはいった店も多い。ギャップがかなりおもしろい。
帰りはJRで高円寺駅に行こうということになり、電車に乗ることにした。そもそもその東側にある駅の入り口からして、のぼる手段は階段のみであること、その階段も洒落っけがなく線路が目の前に見える味気なさで、力いっぱい「こっち側は昭和だよ」と叫んでいるように感じられる。
高円寺駅で降り、そこから徒歩で帰宅。それにしてもJRは混雑していた。みなさんゴールデンウィークは界隈で遊んでいるのだろうか。行きの西武新宿線はそれほど混雑を感じなかったが、帰りのJRは混んでいた。
遠出をする予定はないので、こんな風に界隈の散歩をしながら連休を過ごそうと思う。