朝のうちまで雨が降っていた。外階段の掃除は小雨のときにやると楽で、以前から昼間に雨が降るのを待っていたはずがうっかりして、午後遅くになって「あー、階段はもう乾いてしまったか?」と見にいってみた。かなり乾いていた。だが思いついたときにやるのがいいだろうと、大きめペットボトルに何本分も水を溜めて玄関に移動。道までの外階段を、ブラシで掃除。
それほど大きな道ではないのだが、時間帯によっては、いろいろな人が通る。自家用車は朝晩に通るのだろうが、昼間は配達の車が多い。あいまに学校帰りの子供たちが通ったり、ご近所を歩く地元の方々の姿も。
さらには、いつも謎に思っていた「うちの前で1分程度の短い時間だけ、大きな声で語り合う人たち」も、ああ、こういう人たちだったのかと見当をつけることができた——。どうやら、もう少し進むと道が分かれるため、その手前のわが家界隈で自転車に乗ったまま挨拶を兼ねて語り合い(その声が大きい)、そのあと道が分かれるところで「ではまたーっ」と言ったあと、静かになるらしい。今回はわたしが階段の掃除をしていたためか、あまり長く語り合わずに去ったが、おそらくこういう人たちが何組かいるのだろう。
そして最後に、大きめの声の子供がやってきた。祖父らしい人と一緒だ。わが家の近くにある新築工事現場を、何度も、何度も、行き来しては中を見ている。関係者なのかと思ったら、そうではなかった。
祖父が話しかけているのが聞こえた。
「今日はもう、終わっちゃったんだね。朝は、おっきなブーブー(重機のことらしい)が来ていたんだよ」
子供がそれを聞いて「おっきなブーブー」と復唱している。
「残念だね、また次に、来てみようね」
「おっきなブーブーッ♪」
…あれを見て楽しい人がいるとは知らなかった。うるさいだけで、振動が怖いと思っていたが、そういう楽しみ方があるのかと、気持ちが少し新鮮になった。
今回は雨の直後でなかったため、ペットボトルの水では完璧な掃除にはならなかったが、次回こそ、雨が上がる間際にでも、掃除してみようと思う。そのときまたなにか発見があるかもしれない。