新宿へ: 2022バウム博と、京王百貨店新宿店の印象

 京王百貨店新宿店でバウムクーヘン博が開催されているため、散歩がてら出かけてきた。

 新型コロナで催し物が開催しづらくなっていた時期だが、その間も主催のユーハイムは休むことなく、AIに焼成方法を学ばせてバウムを焼くTHEO(テオ)を開発し、その機材やノウハウを導入希望の企業に提供するなど、バウムクーヘンを焼く文化や地方の菓子店を守るという世の中への貢献をめざし、素晴らしい活躍を遂げてきた。

 ユーハイムの理念には感銘を受けるし、企業努力と方向性も一貫して感じられる。ただ、従来の「やや地味」、「でもたしかな美味しさ」といったものを愛してきた自分としては、ときおり変化についていけず、置いてきぼりに感じることがある。
 アンバサダー制度の影響だろうが、知人らが同じ時期に同じ商品を同じような売り文句で流しはじめると、Instagramのフィードを見ているのがつらくなるのだ。

 さて、バウム博に話をもどそう。京王百貨店の催事場はかなりスペースがあり、展示の間隔も広くて、平日の午後であったことも手伝って快適に見てまわることができた。

 こうした催事でなければ手に入れるのが困難な逸品もあり、まだ知られていないのかそれらが売り切れないままに残っているのを見ると、宣伝したくなってしまう。
 自分としては店頭に並んだら瞬殺レベルと思う島根の「ヒダカ」さんがまだ残っていたのは、他店よりもお高めな価格の影響だろうか(だがダントツ美味である…)。福岡の「カワグチ」さんは近年まで、一般向けとしては大きめサイズの販売をしていなかったが、今回はホールが出品されていた。冷蔵棚だから目立たなかったのか…? 以前なら拝むことも難しかった商品が目の前に…。だが人間の財布と胃袋は限られている。そんなには買えない。
 通販している気配がない「シュトラウス金進堂」さん、大昔に電話をして通販を依頼した「ローゼの花瓶」さんもあった。ほかにも、懐かしい面々が。

 いっぽう、棚の減り具合などから、売れていたと推測できる商品の傾向としては「小袋の詰め合わせ」とか、見た目が「小さい」ものであったように感じる。こうしたものはまとめて買っていって誰かと分け合うのも簡単だし、自分ひとりでホールサイズを何種類も食べられるわけではないが味見をしたい、といった思いの表れではないかと想像する。

 けっきょく、わたしがそのフロアで購入したのは、2品。これはあとでバウムの掲示板のほうにでも、原材料と一緒に載せておくことにする → https://baum.daynight.jp/

 47都道府県のコーナーで会計の際、ほかのお客さんが「あちらの福引きみたいなもの(ガラポン)は、ここで買っただけではだめなのか」と質問していたようで、店員さんの話が聞こえてきた。以下、金額は聞き間違えているかもしれないが——「バウム博の入り口近くにあるユーハイムさんの売り場で、商品を1860(?)円以上買うと、福引きができるそうです」とのこと。2品で2700円と少しだったし、ユーハイム売り場ではないのでわたしは関係ないのだなと、そのまま地下のユーハイム催事に出かけることにした。

 ちなみに催事のフロアでは好きなバウムの投票や、募金して返礼にバウムをもらう「シェアザバウム」もあったようだが、わたしは47都道府県のコーナーしか見ていない。ユーハイムの売り場は行列が長かったので、じっくり見ることはできなかった。バウム以外の商品もあったようで、わたしの好きなフランクフルタークランツや、生ケーキらしきものも見えた。

(バウムを何種類か食べることができる喫茶のコーナーも設置されていたが、いつもそれには寄らないので、今回も通過)

 上の階の富澤商店を見て、ユーハイム催事の地階へ。ここではミニサイズのころっとしたバウムクーヘンが、チョコがけで販売されていた。2個入り、4個入りがあったが、4個入りを購入。賞味期限は翌日までだそうだ。
 すると、会計の際「これを持って催事場にもどると、福引きができます」という紙をいただいた。え、1080円しか買っていないが、いいのか。さっきの1860円というのは、1080円と聞き間違えたとか? 謎である。
 とりあえず催事場にもどると、福引きができた。3等で、バウム試供品とユーハイムのハンカチがもらえた。

 さて、京王百貨店のことを少し。

 京王百貨店の新宿店は、エレベーターが色分けされており、車椅子や体の不自由な人、高齢者や子供が一緒の人向けに「優先」と書かれたピンクっぽい色合いのものと、その隣にブルーっぽい一般向けがあった。ところが、ほんの少しだけ待っていればいいのに、誰もが「来たほう」に乗ってしまうので、驚いた。

 最初に上階に上がるときはわたしたちと一緒に車椅子の方々が付き添いも含めてたくさん乗り(もっとも、優先のほうが一般人で満杯だったとか、あるいは外国人だったので日本語が読めなかった可能性もある)、降りるときは「優先」のほうに元気そうな一般人が「わたしもーっ」と声をかけ、待ってもらってまで乗りこんでいた。
 わたしは意地が悪いため、その人たちに聞こえるように「あ、こっちは優先エレベーターだ(隣に乗ろう)」と言ってやった。すぐ隣で空っぽの「一般用」が来ていたので、そちらに乗ったら、わたしたちだけだった。せっかくよい色分けシステムなのに、これはないよなぁと、思ったものだ。

 京王百貨店で、好印象だったこともある。

 食品売り場でとても気になることがあり、帰宅してから問い合わせメールフォームに入力してみた。名前と電話番号とメルアドが必須だったので正直に書くと、なんと、1時間もしないうちに電話がかかってきた。その内容は丁寧であり、こちらは別に大きな被害があったわけではなくねんのために連絡しただけだったのだが、きちんとした説明と、お詫びがあった(詫びてもらうのも恐縮だが、お話はありがたく聞いた)。

 接客というのは大事で、あれほど大きな企業であっても、1時間以内に電話してくるというのはたいへんなことだろうと思うが、わたしの中で京王百貨店への好感度が上がった。

 外出は3時間くらい、ピクミン・ブルームの歩数計によると7800歩の外出だった。