参加は簡単、やめるのは困難

 そろそろ1ヶ月くらい経つので決断しなければならない(いや、別に決断しなくてもいい)のだが、PayPalを退会できなくていらいらしている。

 数年前の登録時は、PayPalに銀行口座を登録する際に本人しか知らないこと(たとえば残高を答えさせるなど)を答えられれば本人と見なされ、それ以上のことはとくに何も必要なかった。いつか日本国内の知人らとの円でのやりとりや、外国の知人らとの円または外貨でのやりとりもできるぞ、と楽しみにしていたのだが——。国内のショッピングなどにまったく使わなかったせいか、不審人物と見なされたらしく、今年の5月ころに「アカウントに制限をかけました、このまま使わないならばこのままで、使うならば本人確認書類を画像で送ってください」と出た。

 使わないならそのままでということなら、このまま放置しようかと迷ったが、いちおう「本人確認書類というのはどんなのだろう」と考えて、メニューをクリックしてみた。見間違いかもしれないが、そのときは免許証だの保険証だの、わりと普通っぽいものがあったものの、マイナンバーカードは、見あたらなかったように思う。ひとまずそこで「保険証」を選んで画像を送ると、メニューが更新され「補完書類として、以下のどれか」というものが表示された。その内容は、運転免許証、住民票、半年分くらいの公共料金の領収書など、だったと思う。マイナンバーカードは出ていなかった。

 運転免許証は持っていないし、マイナンバーカードならあるが画面上の選択肢にないし、住民票は交通費と手数料をかけて取りに行くのもナンだし、公共料金で自分名義の領収書があるのは(ひとり暮らしの人間ならばともかく)一軒の家にひとりだけだろうから、同居の家族はどうなるわけだろうか。まぁ、これは放置決定だな、と。

 つい最近になって「そうだ、放置はよくないから、退会しよう」と思ったところ、本人確認が済んでいない人は、やめられないという。つまり、やめたかったら本人確認を済ませてから、だそうだ。

 1回も、まったく何も利用していないので悪事を働いた可能性もないというのに、これかよ、と腹が立った。
 サポートの説明メールによれば「どうしても、やはりマイナンバーカードを提出しないと、ほかの方法は面倒になります」とのことだったが、だったらしつこく何度でもメニューの選択肢にそれを出せばいいではないか。わたしがメニューを見ていた5月ころに、そんなものは見あたらなかったし、もしわたしが見落としたというのならば、2回目の「補完書類」の入力欄でも、またそれを選ばせればよいではないか…。

 というわけで、腹が立ってこの話はまた止めている。

 そうこうするうちに、たまにはPayPalを使っていた家族のほうにも「本院確認を」というメニューが出たのだそうで、運転免許証と本人の顔写真(さまざまな角度)を送ったところ、何を思ったか却下メールがやってきたのだそうだ。入力内容を確認して再提出してくださいとのことで、家族もそれに腹を立てて「しばらく使わない。PayPal以外の支払い方法が選べる場所を優先する」と言いだした。

 まあ、ちょっと様子を見よう。

 それから、今日は「無料でできるブログサービス」をいくつか見てみて、wix.comとmedium.comに登録してみたのだが(medium.comは以前に登録してすぐやめてしまったので操作性はわかっているが、再度登録してみた)、wix.comに驚いた。

 登録した人は「モノを売るサイト」を作りに来たと見なされるらしい。クリエイター系の用途や個人の発表の場としてはほぼ使えない。
 静かなデザインはほとんどなく、地味目なレイアウトを選んでもやはり派手。しかも登録時に決められる自分のURLの文字列がメルアドの一部を参考にして自動で決められてしまうようで、その変更ができない。たとえば連絡先として入力したメルアドの頭部分が aiueo123 という文字列なら、それを利用したURLが決まってしまうようだ。それはさすがに困る。セキュリティ的にも、プライバシー保護の面からも。
 面倒なのでやめてしまおうとしたところ…退会が見あたらない。あれ、おかしいなと検索をしたら、PayPalのように面倒そうだった。「辞める前には(支払いなどで問題がないかどうか、取引途中のものがないかどうかの確認はもちろん)、作った内容を完全に消してくれ」的なことがあれこれ書かれていた。
 面倒なので、書こうかと思った動作確認テストをすべて消去し、現在はまっさらで放置している。

 呼び名として失礼かもしれないが、開始は簡単、退会は面倒という「ご○ぶ○ホイホイ的サービス」は、自分がその立場になるまでわからないので、困ったものである。