誹謗と、中傷

 誹謗とは、各社の辞書によれば、悪口を言うこと。中傷とは同じく、根拠ない言動で他者の名誉を傷つけること。

 SNSでは新聞やニュースのコラムをよく読む。普段は記事本体しか読まずに次に行くのだが、今日は偶然にジャニーズ事務所関連のコラムで「コメント欄」を見てしまった。
 あまりにひどい中傷。なぜそんなことを書くのか見当もつかない。相手に自分が誰かが見えていないと思い、そんなことをしてしまうのだろうが、悪質の度合いが目に余れば相手が正式な手続きをとって自分を特定できることを、知らないのだろうか。

 かつてNTTのサービスでナンバーディスプレイが開始になってまもなく、特定されることも知らずに嫌がらせ電話をかけた人物が警察に通報され、逮捕されたことがあった。市町村の公的人物の家に地元から嫌がらせをした事件だった。自分の番号が出ることがわかっていたらぜったいにやらなかったはずだ。だが開始後にいち早く導入したその家には、普段から困っている事情があったのだろうと、容易に想像ができた。

 ジャニーズの関係者のみならず、これまでもネットでの誹謗中傷はひどいものだった。だが今回のように性犯罪の被害に遭った人たちに対して、そんなのは嘘だったと書くことは、なぜそんなことをするのかほんとうにわからない。ジャニーズ事務所のファンというよりは、弱そうに見える立場をたたくのが好きな人たちなのかも(どんな事件でも弱そうな方をたたくコメントをするのかも)と、勘ぐりたくなる。

 また、一般の人間にこうして目に見えているもののほか、個人に陰湿に送られるメッセージや文書の投函などを想像すると、被害を名乗り出ることや告発をすることがどれだけたいへんだろうかとも、恐怖に近い感覚を味わう。

 今回、ネットでわたしの周囲の人たちの意見を見たかぎりでは、新体制をがんばると言っているのだから様子を見ましょうと、東山新体制のジャニーズをひとまず見守るという意見があるようだ。わたしはそこまでは信じられないし期待を寄せてはいないが、そういう意見の方々と、自分のような違う意見の人たちが、どちらも今後に声を上げられることが必要だと、強く願っている。