値上げの話

 義母の入居している特養で費用負担がけっこう増えることになるらしい。入居者ひとりにつき家族ひとりが参加という説明会があり、家族が説明を聞きに出かけた。どの程度増えるかがわからないが増えることだけは決まっている項目もあるのだそうだ。説明を受けたということで、家族はハンコを押して帰宅した。

 預かってもらう以外に選択肢はないし、ほんとうによくしていただいているので、事前にこうして説明を受けた以上はまったく問題はない。まして義母の場合は自分の年金がはいる口座から料金が引き落としなので、わたしたちが負担をするわけでもない。
 義母の場合は認知症がひどく状態もいまひとつなので、年金から費用が引き落とされた残りをほかの何かに使いたいと考えているわけではないが、入居者でも金銭感覚もしっかりとしている人はいるはずだ。そうした人たちは、余った分を何に使うか家族らと相談して決めていることもあるだろう。もらう年金が増えることはありえないので、これからはかなり経済的な苦労が増えるのではないだろうか。

 商品の中味が減って値段が同じもの(俗に言うステルス値上げ)や、商品量がそのままでパッケージ等を変えるタイミングに値上げをおこなうものなどさまざまあって、最近はほんとうに買い物ひとつにも世知辛さが身に染みる。

 気づくと以前ならば食べなかったようなスーパーで販売のお茶菓子的なものを食べている自分に、思わず「以前はデパ地下レベルのものを食べてたんじゃなかったか」と、ツッコミを入れたくなる。