ロザムンド・パイク主演「パーフェクト・ケア」

 2020年のアメリカ映画である。原題は I care a lot (軽く訳せば「はい、お世話しますとも〜」)で、悪徳という言葉では足りない極悪な後見人の話。10年くらい前だったか、映画「ゴーン・ガール」で悪女ぶりが板についていたロザムンド・パイクの主演である。

 予告編は、こちら。

 手間ばかりかかって面倒な患者がいれば回してもらえるように医師から情報を聞き出し、その患者が金持ちだった場合に限るが、施設への入所をなかば強制して家族らの手が届かないように自分が後見人となり、その財産を気ままに処分していく。本人と事務所に勤める人間がグルで、裁判官もすっかり騙されている。抗議してくる家族は暴力的であるという話まででっち上げる。

 あるとき身寄りがない女性を見つけた主人公は、手際よく強制隔離をし、施設を言いくるめて携帯電話も取り上げてしまう。ちなみに施設のオーナーもグルである——が、今回ばかりは相手が悪かった。わけあって世間から隠していたが、とんでもない人物とつながりがある老女だったのだ。

 最初がひどすぎるので、この主人公はどうなってもいいと思って見ていたのだが。
 老女の身内と何度もの激しい応酬ののち、最後はすっきりとしたオチだった。

 見た目がすっきりしていて仕事ができそうな雰囲気だけある極悪な後見人、実際にいたら怖い。