匂いを嗅ぐときの動詞「匂う」(方言)

 以前にデパートの物産展で宮崎の柚子加工品を見ていたとき、お店の人に話しかけたら「匂いはとくにないと思うけれど、蓋を開けて匂ってもいいですよ」と言われて、少し考えてしまった。おそらく匂いを嗅ぐという意味の言葉で「匂う」という動詞の用法がどこかの地方にあるのだろうと、その程度でさらっと忘れてしまった。

 ところが最近ネットで(とくに個人が発信しているようなTwitterやInstagramにおいて)普通に「匂う」と書く人に遭遇することも。ほとんどの人はなんとなく通じるだろうからわざわざ本人に言わないのだろうが、親しい人たちからも突っこまれないのかなとか、余計なことを考えてしまう。いや、親しい人たちも地元の友達なら、わざわざ言わないのか。

 90年代後半に、インターネットに日本の一般人らがホームページを持つようになったころのことだ。それまでは大学などの大きな施設以外は、一般人はネットにつながっていなかった。
 そのころ、多くの場合において人はホームページのトップに Sorry, (written in) Japanese only と書いていた。このページは日本語でだけ書かれていますよ、という意味だ。インターネットは世界中につながっているから、そう書いておかないと外国語で問い合わせなどのメールが来てしまうかもという「お約束」または作法のようなものだったのだろう。

 だがやがて時代がくだり「日本語だけだと書くのはいいけれど sorry まで書くのってどうなんだ」という人尾現れるようになり、少しずつ、個人サイトからそういった表記が減っていったように思う。

 あのころ、ネットは「世界につながっている」という認識の人が多かった。だが最近では登録しているサービスを通じて知り合いだけの閲覧制限が実現できるためか、家族や知人らとつながるためのライフライン的な意味合いでとらえている人のほうが多いのだろう。

 気になる言葉や方言が見つけられることもあり、たまたまこんな風に知らない人の投稿が流れてくるのを、楽しみに思うことがある。