夏バテには、蓄積と予兆がある

 雨の影響か、めずらしく気温が下がり(そうは言っても30℃前後はあったと思うが)、たまにはエアコンを切ってみようかと思うようなまさかのタイミングで、夏バテをしてしまったようだ。

 思えば数日前から夢見が最悪だった。
 ひとつは、とても札幌駅とは思えないが札幌として連れていかれた駅で「東京方向に行く電車を乗り継いで帰ってください」と放り出された。そしてホームで不審な人からはんぺんのように見える薄くて四角いもの10枚とナイフのようなものを(東京に持って行けと)押しつけられそうになり、それを拒否して、停まっていた車両に飛び乗ってしまった夢。ほかにも、どこかに交通機関で出かけるのだがうまく目的地に行けないとか、誰か危険人物と間違われてマークされそうになるとか、そんな夢ばかりだった。

 そして5日の未明、イエデンに2回の着信。施設にいる義母のことだった。
 体調不良の説明だった。このご時世は思いがけない急変があっても夜間に救急車はまず呼べないので(受けいれてもらえない)これこれこんな状況ですが、ひとまず様子を見ていますという報告。施設の方々には頭が下がる。だが、逆にもし急に搬送先が見つかったらこちらは駆けつけなければいけないので(病院というのは家族が説明を受けて書類にサインをするものだと思うためで)、覚悟を決めて眠らない状態で横になっていると、ついに朝になった。

 その段階で、さすがに少し寝ようと考えた。昼間ならば施設のスタッフも増えるし、従来のかかりつけ医さんと連絡も取れることだろう。さて、寝るか——と。
 ところが、この数日来の夢見の悪さと疲れが一緒になって、ひさびさに金縛り。両手首を手首のようなもので掴まれたのでそれを押さえつけながら「誰かにこれを見せなければ」と大声でわめくという、リアルな夢だ。(両手首を掴まれているのにどうやって自分の手首についた手首っぽいものを押さえつけたのかはまったくもってわからないが、夢の中では、とにかくできた)

 夢というのは不思議で、叫んでいるとやってきた家族に「この手首みたいなのがーっ」と報告するところまで話がつづいていたが、実際には「どうしたの」と声をかけられただけだったという。わたしはその「どうしたの」という声で満足してしまい、そのまま寝てしまったのだそうだ。

 そして、昼過ぎにようやく体を起こしたところ、妙な時間に寝てしまったせいか体中が痛く。

 それでも近所の散歩と買い物くらいは行かねばと、短時間の外出をして帰ってくると…なにやらその後1時間くらいして、体がおかしい。めまいを起こす寸前のような、ふわっとした感覚。何をしてもやたらと疲れてしまう。そして風邪を引く手前のような、不安定な体温(体が部分的に冷たかったり、暑かったり)。

 普通の人ならば、ここで「半日くらい寝ておくか」という程度で済むのだろうが、わたしの場合は「これがもし二度目のコロナだったら」やら、「前回の後遺症がいまごろ出てきて、この先は悪化するのか」やら。あげくに「義母も実母もコロナになったらたいへんだ、わたしよりもさらに体力がない」やら。暗い連想は、どこまでもつづく。

 だが何をいくら考えたところで、金曜の夜である。平日の昼でも病院への受診は控えてと言われているご時世であるから、不安だからといって暗いことを連想しようと、何もできることはない。
 実際にコロナ陽性となった3月頭でも別にコロナのための薬をもらったわけではなく、いつも飲み慣れている漢方などを飲みながら家にいた。つまり「騒いだところで何も事態は改善しないし、不安に思うだけ損」なのである。

 毎日1時間半くらいを近所の散歩で過ごす以外はオンラインでネットにつながっているだけのわたしが、ふたたびコロナかどうかを心配するよりも、普通に考えれば夏バテだ。夜になかなか寝られない日々がつづいていたのだから、いい加減に自分をいたわれというサインなのだろう。

 というわけで、まずは気持ちを落ち着けることが大切である。