不動産のサイトを見ていて思う

 この数年の住宅値上がりは半端ない。しかも新築の場合は、給湯システムや床暖房ほか、屋内に入れる予定だったシステム各種が新型コロナによる供給不足で部品調達が遅れるなどしているとも聞く。完成を待っているあいだに日数が過ぎ、あるいは以前なら検討対象ではなかったメーカーに変更するなど、いろいろな影響が出ているようだ。工期の遅れは価格で回収したいと考えるのが業界というものだろうが、価格に転嫁するにも人に買ってもらえないほどの金額は付けられない。

 界隈の物件だけを見ていても、供給しようとする量は多いようだが、はたして健全なタイミングで売れているのだろうか。新築なのに数ヶ月以上も売れていない家は、そこそこある。

 買う方の立場を想像しても、現在の高騰した時期に無理をして「数年後に売却しなければならなくなったとき、価格が下がって売れないのでは」という心配は、おそらくあるだろう。

 以前は新築と中古はかなり価格の開きがあった。だが現在に関して書けば新築と築浅中古物件は開きがなくなってきている。ならば築浅ではなくそこそこ古い物件を購入して少しずつ修繕するのはどうかと考えても、部品調達が難しいのは新築と条件が同じだろうし、以前よりもリフォーム代や期間がかかることは間違いないだろう。湿気の多い土地にある日本の家屋は、木造の場合はとくにだが、おそらく築30年弱が、売買のぎりぎりラインではないかと思われる。

 これで、東京都独自に「新築物件には太陽光発電を必須にする」というお達しを住宅メーカーに出した場合、価格がさらに上がる。住宅メーカーにしてみればそんなお達しが来る前に作ってしまったほうが気楽かもしれない。

 そろそろ、住宅情報サイトを頻繁に見るようになって、1年くらい経つように思うが、この1年のあいだでさえ、相場が数百万円くらい上がったように感じている。この高騰はいつまでつづくのか。

 いま住んでいる場所は好きだが、次の引っ越しについて頭を悩ませている。そろそろ賃貸を卒業したい気持ちは強いが、よほどの「訳あり」物件でもないかぎり持ち家も難しい。とくにこの数年は、手が出る金額ではない。