何度も作っている菓子で失敗

 バターカステラで失敗した。

 パンならいまでもときおり「こりゃちょっと不味いぞ」というのが出来るのだが、慣れているはずの菓子、しかも基本の基本である「卵の泡立て」で失敗するというのは、予想もしていなかったし、原因もよくわからない。わからないことだらけだが、自信は確実になくした。

 これが、うまく行っているときのバターカステラ。

バターカステラ(焼いた直後)

バターカステラ(冷蔵庫で寝かせてから撮影)

 うまくいかなかったほうの撮影は、もちろんしていない。

 顛末を書いておくと——

 ○ 卵の質は申し分なし。信頼しているお店の卵。
 ○ 泡立てる前に、いつも通りに湯煎して、ある程度は温めた。温度が低かったか?
 ○ 泡立てている最中に、最近は使わなくなっていた古いほうのハンドミキサーだったためか、音が気になった。「今日は、なんだかうるさいなー、早く終わらせたいな」と気が散ったのは事実だが、それほど手を抜いたようにも感じていない。そこそこ、いつもと同じくらいには、泡立てたと思っている。
 ○ 卵の泡立て前に、蜂蜜、バター、ヨーグルトを混ぜて温めておいたが——蜂蜜が容器の最後のほうで固まっていて、足りるかな〜とひやひやした。
 だが、ぎりぎり量は足りたので、残りを引き続き容器ごと湯煎して、次回にそなえた。もしや、最後の固まっていた部分も使ったため、入れすぎたのだろうか。いや、それにしても数グラムくらいの誤差だと思われる。
 ○ 粉を合わせ入れ、バターと蜂蜜などを溶かしておいたものも、いつも通りの手順で入れた。そのときは、それほど卵が緩いとは思えなかった。

 ぜんぶが合わせ終わり、焼き型に上から流し入れた途端…「あ、これぜったいうまくいかない」と直感。急に液の表面にたくさん大きめの気泡が浮いてきて、まるで雰囲気が「こってりしたプリン液」のようなのだ。

 仕方ないので焼いたが、やはり、上半分が「きめの粗いスポンジ」で、下半分が「焼きの足らないパウンドケーキ」みたいになってしまった。ガラス容器なので、焼けたあとでふたたび電子レンジで加熱して生焼けっぽさを改善。そのあとで粗熱が取れてから食べてみたが、味はともかくとして舌触りが悪い。

 何が悪かったのか、よくわからない。
 雑念があったことや、時間に押されながらの作業だったので、認識していない間違いがあったのかもしれない。なにせ先日は、家族も使う普通の用途の塩を、パンをこねたあと小麦粉収納の段ボールに入れて、半日も経ってから「あっ、なぜこんなところに塩が」と首をかしげたのだ。そんなところに入れた記憶もないし、半日も行方不明だったことに気づいていなかった。頭がお疲れのようである。

 次回、期間をあけてから、またバターカステラをやってみようと思う。