今後の投票方法について

 投票日に会場において紙に書かせる従来の方式は、容易に会場に来られない立場の人、筆記が困難だったり介助が必要な人には、かなり厳しいものだ。あきらめてしまう人も残念ながら多いかと思う。

 期日前投票は日時の制約がある人にはありがたい手段だが、やはり単独での移動が困難な高齢者や、身体的に支障がある方の場合は条件がさほど変わらない。そして総務省のサイトによれば(総務省のニュース「投票制度」)、郵便の投票が認められる人は細かく規定されている。高齢者が「投票所に行けないから車に乗せてと周囲に頼みにくい」という程度では、認められない。

 さて、まずは「紙のままか、紙でなくするべきか」だけでも一筋縄ではいかない。
 人件費。これは会場で不正がないかどうか立ち会う人、当日のさまざまな業務、そして集計作業の確認をする人などをすべて入れたらかなりの人数であり金額だ。電子的なクリックで足し算がなされていくシステムが会場にあれば、人件費はかなり減るだろう。その分だけよいシステム作りに力を注げる。
 ただ、予想外の大規模停電やら、何らかの作業ミスや誤作動があったのちに、紙という現品が目の前にあるのとないのでは、意味合いが異なってくる。いざとなれば票の数え直しができるという強みがあるのが、従来の制度だろう。

 大きな会場に集まらずに、小分けされた指定の場所で端末を操作することができたら、それが便利かもしれない。だが「その会場での電気系統や端末トラブル」、そして懸念されることとしては、誰かが善意を装い「操作がわからないなら、ほら教えてあげる」と近づいて、投票を誘導してしまう危険性。少なくとも現在のシステムであれば後者はありえない。記入するときは個々人であるし、係員が見ているからだ。

 細分化された会場での電子的投票でも、こうしてトラブルや投票違反の可能性が思い浮かぶ以上、投票者が個々人の端末で電子投票というのは、さらにあり得ない話になるのではないか。ほんとうはそれが楽でいいのだが。

 とりあえず、現政権に言いたいのは、たったひとつ。

「どうせ与党の支持率は上がらないので、いつがいいかと衆院選の日付を考えるのは無駄なこと。最後に国民にひとつ親切にすることがあるなら、さっさと日付を決めて、会場関係者に予定を立てやすくしろ」

 1日でも早く、決めてもらいたい。