ATMに、素速い人がいた…のか?

 ひさしぶりに現金を下ろそうという話になり、みずほATMに立ち寄った。有人店舗ではなく、ただ3台が並んでいる場所だ。

 はいるなり、わたしは左端を使った。ほぼ同時に家族が、残るどちらかのATMを使った。わたしたちがそこにはいる以前には室内に誰もおらず、通りに面したガラス戸は見通しがよいので、誰かが目立たずに立っていたとは、思えなかった。

 だがわたしが「残高照会」を押したとき、ほぼ同時に残る2台のATMから「いらっしゃいませ、ご利用ボタンを押してください」と音声が流れた。入店時はふたりだったと思っていたが誰かが来たんだなと思いながら、残高照会のあとで、引き出しを押す。

 わたしは残高の千円の単位を見てから下ろすのが好きなので(たとえば残高の最後部分が1万8千円となっていれば、8千円または1万3千円を下ろすと、残高の最後部分が1万円または5千円になる)、こうして2回手間をかけるのだが、家族はそういうことにこだわらず必要な額だけを下ろすため、わたしより操作は速いはずだ。

 だが、わたしが顔を上げて連れを見たとき、もうひとりの人は、もういなかった。

 驚いて「いまここに、誰かいなかったか」と尋ねると、いたと思うがすぐ出ていったらしいという。速度から考えて、何かを押したもののすぐやめて出ていったのではないかとのこと。
 あるいはその人物はみずほ銀に頼まれた係員で「ATMは無事に動いているな、よし」という確認のため、風のように来て去っていった可能性もあるとの珍説も披露されたが(この数日、みずほ銀のATMトラブルがあったらしい)、それにしても、後ろ姿くらい見えてもよさそうなものだ。

 お盆の時期なら「誰かが帰ってきたのかな」と思うところだが、亡くなってからも現金が必要とは思いたくないので、この話は深く考えないことにしておこう。