食品フロアは単独が望ましい

 今日、念願の新宿小田急に出かけた。実際にはつい先日まで「ハルク」と呼ばれていた別館だが、小田急の本館が閉じることになったので、そちらに無理に本館が居候することになったのだ。狭いところに、ぎゅっと入れられたのだろうなと、想像しながら出かけた。

 最初からハルク地下の食品売り場にあったカルディや明治屋は立場が強いのか、売り場面積も削られずにそのまま奮闘していたが、ほかはなかなかの詰め込みであった。小田急本館は食品売り場を大改装してまだ12〜13年くらいだったのではないかと思うが、その当時からひしめき合っていた売り場がハルクの地下2階部分に収まりきるはずもなく、化粧品などがある地下1階にも和洋菓子などの売り場が移動。どれもかなり狭くなっているように感じられ、しかも「化粧品と食べ物が同じフロアか」という思いが否めなかった。

 ある程度の空間がある建物ならば、服飾品や化粧品と同じフロアに和洋菓子がある事例も存在するが(地下鉄の上野広小路駅に直結の松坂屋、東武線の浅草駅に直結の松屋など)どちらの場合も広さと風通しがあるので、それほどには匂いに影響はない。だができれば避けてほしい。

 気にしすぎていたせいか、今日の小田急は店内での匂いの混在と、各店の売り場で狭さが気になった。売り場の大きさで変動がなかった店もあるはずだが、かつての本館でゆったりと大きなショーケースを構えていた店たちは、そうした面影もなく簡素化。フロアのそうした一画からは、デパートらしさというのか、心の贅沢のようなものが、残念ながら失われた気がした。
(むろん、これまでの小田急本館食品売り場をご存知ない、もしくは思い入れのない人には、影響のない話ではある)

 小田急の本館跡地には、都庁以上の高さのビルが建つそうだ。その中に小田急が入店するかどうかは不明だが、できれば食品売り場は、そこにも存在してほしい。わたしにとって「見ているだけでも楽しかったあの活気ある遊園地」を、ふたたび目にしたい気分である。