小杉湯(高円寺)の風呂清掃レポートを読む

 家庭の風呂でもすぐ汚れてしまうというのに、毎日数十人以上が利用するお風呂屋さんというのはどれほどの清掃の苦労があることだろうと、つねづね考えていた。そんなわたしの目の前に、昭和8年創業の高円寺「小杉湯」さんが、写真入りで清掃を紹介している記事が現れた( → 2023.03.20 健美薬湯コラボ風呂開催! 小杉湯の清掃レポート!)。

 浴槽、洗い場、カランだけではなく、洗面器や椅子を丁寧に洗い、そして(今回の記事には写真はないが)脱衣所ほか室内と、掃除の範囲は広い。そして短時間でやらなければいけない。薬剤や機材をうまく利用しつつ、それでも自動化ができない場所は手を使って掃除。早朝からみなさんでがんばっていらっしゃる。

  高円寺駅に近い小杉湯さんには、最後に出かけてから10年以上経つのだが、なかなか味わい深い路地に位置し、周辺の雰囲気もよい。町の銭湯としての親しみやすさを残したまま、隣にはコワーキングスペースいや飲食スペースなどをそなえた「小杉湯となり」を展開するなど、新しさも採りいれる…いや、積極的に発信していく。

 数十年前、初めて高円寺に住んだときは、高円寺の北にも南にも、何軒もの銭湯があった。いまはこちらの小杉湯さん、そして「なみのゆ」さんが北口にあり、南口はわたしが出かけたことのない1軒があるほか、検索に引っかからない。さみしいことであるが、維持の手間や費用、そして利用者の減少を思うと、これも残念ながら時代なのだろうか。