99万6千円の話

 道を歩いていた。あるお宅の前で、運送業と思われる人のバンが後部ドアを開けた状態で停車していた。引っ越しにしては小さいが宅配にしては大きい車かもと思いつつ、その脇を通り過ぎようとしていたところ——

 横に立っていたドライバーが携帯電話に向かい「ろくせんななひゃくユーロだとっ!?」と、大きな声を。

 かなり驚いている様子だったが、たしかに大金である。ネットでのちほど検索したところ99万6千円だった。

 それがどうしたのだろうと、それからしばらく考えてみた。

 仕事に関係ある場合。
 そのお宅の住人から、重いものを「ヨーロッパに送ってください、細かいことはそっちでやって」と言われて、とりあえず料金だけは調べようと自社に電話して調べてもらった。(これなら別に自腹ではないから大声の理由がない)
 納品しようとした大きな輸入商品を玄関先で壊してしまい、価格を確認して絶句した。(大きなブツは近くになかった)

 仕事に関係がない場合。
 納品に来たのに15分待っていてと言われて暇つぶしに知人と電話(これはないわな〜)。
 急にパリに行きたくなってビジネスクラスの往復運賃を尋ねた(これもないわな〜)。

 連れも同じ言葉を聞いたので、わたしの聞き間違い説は、ない。さて何だったのだろうか。

ルイボス茶が人気らしい

 ペットボトルではほとんどカフェインレス飲料を買わないが、水出しができるノンカフェインのティーバッグを店頭で見ていると、かなりの確率でルイボス茶が目にはいる。今日などは予備で買っておいたカモミールティの箱を開けたら、内部に試供品のルイボス茶がはいっていた。

 リンゴやほかの果物の香りと合わせて「○○+ルイボス」という形で商品化されていることが多く、わが家でも何回か買ったことがある。飲みやすいし、麦茶ばかりではあきるときにも便利だ。普通の紅茶ティーバッグはカフェインを抜いてあるかどうかが味ではわからないのだが、ルイボスの味ならカフェインがはいっていないことがわかり、気が楽である。

 いま家にあるのはこれ(画像は楽天から)。

 こう書くとカフェインが嫌いなのかと勘違いされてしまうかもしれないが、大好きである。ただ、遠慮なくカフェイン入り珈琲を飲むためには、それ以外の場所でカフェインレスを接種してバランスをとっておかないといけないとの思いが最近になって強まった。それに自慢ではないが数年以上も夜中に寝られず昼間にふらふらしている人間なので、夜遅くならばカフェインレス飲料を選ぶのも、自然な流れである。

 ちなみにカフェインレスの珈琲も各種(インスタントもレギュラーも)買ってある。珈琲がかなり好きで、可能なかぎりは、この先もずっと飲んでいたい。

世界最大の生命体はオレゴン州のキノコ

 自分が設定して日々観察しているAIのChirperが、世界最大の生命体はアメリカのオレゴン州に存在する2200エーカーのキノコである、と自信たっぷりに書いた( → 原文はこちら)ので、これはさすがに裏をとらないとと検索したところ、事実だった。DNAを調べた結果、この数キロ四方のキノコは、ひとつの生命体だったのだそうだ。

 だが、大きすぎて一般人による写真がない。さらに巨大で湖くらいあるならばGoogle Earthにでも写っているかもしれないが、数キロ四方では周囲に目立つものでもないかぎりは見つけられないし、だいたいそのキノコが異様な色でもないかぎりは風景に馴染んでいて肉眼で検出できない。ではあきらめるしかないかと思ったところに、助け船が。2012年のCNN記事(日本語版)で、あっさりとした紹介とともに参考写真があった → 怖いけど見てみたい 米国の「不気味」発見スポット7選 – 3.世界最大のキノコ(オレゴン州マルール国有林)の欄を参照。

 これからしばらく自分のAIを観察して、おもしろいネタがあったら裏をとっていこうと思う。

ときおり耳にする「Apple Watchで命拾い」

 Apple Watchを身につけていたら心拍数がおかしいとわかって医師に相談したとか、高齢者が自宅で転倒した際に自動でどこかに通知してくれたとか、いろいろ命拾いの話を聞くが…

 いや、時計ってさ…手首に暑いなぁ。
 画面小さいから、けっきょく「何か連絡が来てる」と気づいたらすぐiPhoneを出す気がする。
 それ考えると「iPhoneでも命拾いさせてくれ」とか思ってしまうのだが……(→いちおう iOS ヘルスケア のアプリもあるが機種や設定によりできることが異なる模様)

 それに、Apple Watchで「しか」できないことが思いつかないのだが、やはり走ったりする人に向いているということなのだろうか。

 
 

謎: 個包装コーヒー(スティックなど)

 ティックコーヒーや、一包ずつの袋になったインスタントコーヒーをよく買う。同じ味をつづけて飲むのは楽しくないので数種類を買うようにして交互に飲んできたが、このところの値上げで、安いときにまとめて通販しておく方法も難しい。安いものを見かけたときに少しずつ買い足すという、なかなかストレスの溜まる方法をとっている。

 最近のお気に入りはインスタントのベトナムコーヒー。たまには日本の飲み慣れたもの以外もよいものだ。
 同じメーカーではないかもしれないが、参考リンクを貼っておく(画像は楽天から)。

 ところで、謎に思っていることがある。

 インスタントのブラックコーヒーで、個包装の詰め合わせが増えてきているのだ。うっかりと間違えて購入しそうになる。数本単位で何種類もはいっていて、美味しそうだなと、よく見るとブラックだ。

 ブラックというのは、瓶で買っておいて作った方が、好きな分量だけ粉末を入れてそれに見合った湯も注げるし、いいのではないだろうか。個包装になっていたらかえって自由が効かないのではと、そんな風に感じている。

 わたしがスティックコーヒーを買うのは、お湯を入れすぎさえしなければ、クリーミーさと甘さが適度にはいっているものができあがるからだ。午前や夜に飲むのは砂糖なしで牛乳を注いだレギュラーコーヒーだが、夕方はおまかせの味が飲みたくなるため、そうしている。クリーミングパウダー類と砂糖類とインスタントコーヒーをそれぞれ買っておいて自分で混ぜたら面倒で仕方がない。

 だがブラックで飲む人ならば、個包装でブラックだと、量も決められてしまって楽しくないのではないだろうかと、ついつい考えてしまうのだ。湿気る心配がないからだろうか。

 メーカーのみなさんにはぜひ、ブラック以外にも種類別の詰め合わせをもっとたくさん作っていただきたいものと思っている。

質問掲示板で、米(こめ)の話

 固めの米が好きだという話をよそで書いた。
 以前は安価ということもあって北海道の「きらら397」、そして岐阜の「はつしも」などを食べていたが、最近は少し米が値下がりして、ときにはあの高価だった「ゆめぴりか」すら買えることがある。だが「こしひかり」など、有名な米であってもものによってはやわらかく炊けてしまうものもあるので、今後はどんな米を買ったらいいだろうか——と書いた。すると、北海道の「ななつぼし」、「ふっくりんこ」などを勧めていただいた。食べてみたいと思う。

 さて、この件で、ネットで「固い米」を検索しようとしたところ、質問掲示板に迷いこんだ。そこで意外にも目にしたのが「米2キロを炊くのに水は」やら、「米3キロを炊きたいので水は」の質問。

 米3キロを炊く人は、一般人にはまずいないはず。業務用ならば機械に目盛りがついているだろうし、素人には触らせないだろう。

 とすると、これは、何かのクイズで出た問題をそのまま質問しているのだろうか。

 掲示板を見ていると、回答している方々は、米に対して水のパーセンテージを淡々と答えているようで、どなたも「そんなに炊くんですか」とは尋ねない。よくある内容であれ質問が来たら答える、ということのようだ。

 米1キロで炊飯器用のカップ何杯分の米になりますかという、初心者が普通に疑問に思いそうな質問は、少なくともわたしがざっと見た範囲では見つからなかった。

プリペイドでも、eSIMの時代なのか

 プリペイドSIMの値段を調べていた。以前はよく知人に短期滞在用のSIM購入を手伝っていたのだが、このところそういった用事はコロナ禍で遠ざかっていたため、調べるのはひさしぶりだったのだ。

 で、なぜか海外からの短期滞在者に人気の、DHA “Nippon SIM”シリーズが、ヨドバシでけっこう高い。何でだ、何でだと、よくよく見たらeSIMだった。ついでにヨドバシのラインナップをよくよく見たところeSIMが多めのようだ。力を入れているのだろうか。

 たしかに期限または容量が上限に達したら物理的に引っこ抜く手間もないし、ただ使えなくなるだけなのだから、いいのかもしれない。あまり頻繁にSIMなどを入れ替えて何かあったら嫌だなというのは、わたしのようにズボラな人間はよく考えることである。そのリスクがなくなるのだから心理的な負担は減る。

 いや、しかし。

 価格を考えるとやはり高い。たとえば15GB用でメーカーやAmazonならば3000円前後の物理SIMが、似ている内容のeSIMでヨドバシでは4980円である。しかも物理SIMのほうは容量が上限に達しても低速で通信ができると書かれていた。これならば、SIMの抜き差しをするのは自分ではないので、値段が安い方を勧めた方がいいだろうという気がする。

(画像は、楽天にあるメーカー公式サイトから)

 それにしても、短期滞在用のSIMでもeSIMの時代になったのだなと、たった数年この話題から離れていただけで、すっかり浦島太郎な気分だ。

「むし社」に出かけてきた

 以前から馴染みのあるビルに、数年前「むし社」が入居した。昆虫関係の出版や、クワガタの生体や飼育関連グッズなどを販売している店だ。以前は中野駅の近くにあったと記憶していたが、高円寺駅近く(住所は中野区)に転居してきたのだった。

 1階はスーパーのマルエツプチで、上の階にはトランクルーム、歯医者、整形外科などがはいっている。わたしはそのどれにも少しずつ縁があったし、むし社が入居したその場所の前身も知っているし、たまにしか行かないものの縁が深い建物だ。

 ホームページや通販サイトを見ても定休日が書かれておらず、どうも年末年始以外は原則として営業しているのではと思われたため、散歩がてらふらりと寄ってみた。買いたいものはすでに決まっていたので店内には少ししか滞在しなかったものの、お店の人たちがほんとうに虫が好きそうだし、昆虫が好きそうな少年がひとりで熱心に見ていたし、なかなかマニアにとってはオアシスなのではないかという気がした。

 なかなか地方に旅行できない昆虫好きの方々は、立ち寄ってみてはいかがだろう。

ものごとの優先順位

 先ほどネット上のあるコミュニティでのことだが、できたばかりでバタバタしていることが誰の目にも明らかな場所において、ちょっと変わった光景を見た。普段は「ここをこうするといいと思います」といった意見やら、「バグなのか仕様なのかわからないけどどっちですか」やらの投稿で掲示板が賑わっているわけだが、そこにぽつっと、変わった書き込みが。

 一流でありたいなら、そして人に安心してもらいたいならば、公式サイト上でこれこれの説明が簡単に読めるように、そしてクリックするだけで必要な要望を出せるようにするべきではないか。だがここはまったく何も整っていない、と。

 どうも話を聞いていると、ご自分が緊急にそれら情報掲示や表示の改善を必要としているわけではなく、最初のうちから実現されていない状態は好ましくない、という考えに基づくものらしい。
 最初に対応した人が面くらってしまったのか、途中で別の人が助け船を出し「意見としてはわかるが、それはいま優先順位が高いとは思えない。要望の記録として専用掲示板に投稿しておくだけでいいのではないか(すぐ実現しなくても困る人はいない)」と、取りなしてくれた。なるほどいろいろな人が世の中にはいるものだ、そしてどんな人が来ても的確に自分の意見を言える人は柔軟だと、改めて感じた。

 妙なたとえ話かもしれないが、客船が嵐で航行不能になったとしよう。そのうち一部の人々が小さな島にたどり着いて、救助を待つまで短期間の居場所を定めることになった。
 まずは寝る場所の確保(雨露のしのげる場所探し)、食料と飲料水の確保、交替で安全確保のための見張りなどをしなければならない。それらが確保され、人々が安心できるまでの期間(数日もしくはそれ以上)は、誰しも無我夢中であるはずだ。

 だがその最初の日々で、「各人の労働内容や時間に不公平がないように誰がどう管理していくのか」とか、「不満があったとき、喧嘩が起こったときの仲裁役は誰であるかを決めておこう」とか、そういう発想はほとんど浮かばない。仮に心に浮かんでも口にできない人が多いだろう。なにせ生活そのものが脅かされている状況で、優先順位というものがあるからだ。

 ようやく状況が安定してから、細かいことを話し合えるようになる。「衣食足りて礼節を知る」の通り、心に余裕がなければ細かいことを話し合うのは難しい。

 そういったことを普段から考えていると、「いまは口にするときではない」という自制心が働いてしまうのかもしれない。それはそれで頭が凝り固まってしまう手前かもしれず柔軟に考えなければいけないはずが、とっさの場合ではやはり対応に困る。
 だが、優先順位が低くとも理想を口にした人を、否定したり不快に思うのではなく「いまはそのときではないと思うが、要望だけ出しておけば」とすぐ説明できる人は、ほんとうにすばらしい。

「利島」を読み間違えていた

 このところ地震が多い。今日も最大で震度5弱という地震が東京都(伊豆諸島に位置する「利島」)で観測されたそうだ。緊急な内容でチェックが不十分だったのか、ウェブのニュースやそれを見聞きした人々の間では「新島で震度5弱」という話になりかけたそうだが、震源地が新島・神津島近海であり、揺れたのは「利島」であると確認の情報が流れてきた。

 ところで、この「利島」は、トシマと読むのだそうだ。わたしは家族に音声で「新島・神津島近海で地震があってリトウが揺れたんだって」と伝えてしまい、家族が「リトウってどこ、どんな字」と尋ね返してきたが、信じこんでしまっているため口頭で利島の字を伝えた。

 それから1時間ほど経って「あれはリトウではなくトシマらしい」と教えてもらうことになったのだが、間違えたのが人前でなくてよかった。もっともこうして人前で書いてしまっているわけだが。

 地名というのはほんとうに難しい。中野区の地名「江古田(えごた)」と、練馬区の駅名「江古田(えこだ)」は、間違わないようにするのが一時期たいへんだった。練馬区のパン屋は「パーラー江古田(えこだ)」であり、中野区北部の大きな公園は「江古田(えごた)の森公園」である。

 それにしても、各地で地震が増えてきている。震度5弱というのは東日本大震災の時に東京で経験したあの規模だと思うが、人生で何回も経験したくはないものだった。今回の地震は人的被害があったとは聞いていないが、不幸中の幸いである。