Netflixにて「コペンハーゲン」シーズン4

 なんと、あのコペンハーゲン(原題はデンマーク語で Borgen / 城の意味)が、かなりの年数を経て再登場である。今回はNetflixなので字幕も吹き替えも楽しめる。以前にSuperDramaTVが放送していたころは、なぜかデンマーク作品のほとんどが吹き替えだった。遅れて他社で字幕配信もあったようだが、早く見たくて、吹き替えを選ばざるを得なかった。

 これまでのシーズンもNetflixで配信中。

 40代で思いがけず首相になってしまった女性議員、ビアギッテ・ニューボーの奮闘を描いたのが初回。2010年ころだった。その後は政界を退いた時期もあった。民間の企業で国際的な仕事をしていたが政治の世界に復帰することになり、周囲を巻きこんで選挙活動をしたのが第3シーズン。そこまでは数年おきに放送していた。

 だが今回は2022年。登場人物らも10年以上の年をとっている。それだけ円熟味も増したが、国際情勢をふんだんに織りこむ展開にも、深みが出てきた。

 第一話の台詞に「ロシアはウクライナに手を出して世界中から制裁を受けている」という表現があり、ドキリとした。撮影は何ヶ月も前なので、これは今年2月以降のウクライナではなく、前回のクリミアのことを指している。だが見ている側にしてみれば、あまりのタイミングに「ドキリ」とさせられる。

 デンマークに従属している(かつては植民地であった)グリーンランドに石油が出たという騒ぎから、今回の物語ははじまった。じゅうぶんに調べた上で発表すべきとする主人公(今回の立場は外務大臣)は、2050年までに化石燃料に依存しない社会を作るというデンマークの目標に反することだからと、グリーンランドに今回の石油開発をあきらめてもらいたいと考えている。だがすでにロシアの企業がその油田に投資をすると決めているとの報道までも飛び出して、それぞれの国や立場での思惑がぶつかり合う多難なオープニングとなった。

 全6話。少しずつ楽しみたい。